ポッポ屋日記

日記的なブログにしたいです

FFオリジン感想 〜初めてのハクスラゲーを体験して〜

 

 

こんにちは、ニホンバトです。

以前DEATH STRANDING DC版の感想記事を書いてからしばらくの間、ゲームの感想記事は書かないと宣言していました。それは僕がゲームの感想を書くのに、伝えたい部分だけを明確に伝えられる要約力がなかったが故に、どうしても長文で長ったらしくなってしまい、「これは気軽に読めたもんじゃないな…」と自分でも感じたのでしばらくの間ゲームの感想はTwitterでつぶやくだけの感想に留めていた部分がありました。

実際デスストをやったその後は1月のフリープレイで配信されてダウンロードした「ペルソナ5スクランブル」をトロコンまでクリアし、その後自分が待ちに待ち望んでいたFFオリジンをプレイしていました。

 

今回はそんなFFオリジンのクリアからクリア後の要素についての事をあーだこーだと語らおうと思います(ネタバレ注意です)

 

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「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN」(略称 SOPFFO、FFオリジン等)は長年FFシリーズを手掛けてきたスクウェア・エニックスとアクションゲーム作りが得意なコーエーテクモゲームスが抱えるスタジオ、TeamNINJAディシディアNT以来のタッグを組んで作られた「高難易度アクションRPG」で、その世界観はFF1をベースとしつつも、光の戦士としては好戦的で血生臭い戦い方をする主人公ジャックの存在を中心に、元となったFF1に似ているようで何処か違うパラレルワールドのような世界観に当初は話題になってました。

その後のトレーラー内容や生放送の発言により「実はジャックの正体が後に光の戦士の宿敵となるガーランド(及びカオス)」という事がゲームの発売前から発表され、大きな話題を集めると共に、ゲームを最後まで進めて分かる衝撃の真実というサプライズ感を楽しんでもらうゲームから、ジャックがどういった経緯で闇に堕ちていくのか?その顛末を楽しむゲームとして楽しんでもらう方向性にチェンジしていきました*1

僕はこのゲームを発売前の段階から相当楽しみにしており、それはPS5で過去2回配信されたトライアルバージョンによる体験版フィードバックの協力もするほど、そして来たる3月15日、僕はデジタルデラックスエディションでFFオリジンを買っていたのでアーリーアクセスよる先行プレイを経て、3月27日にストーリーをクリアしました。

 

結論から先に述べると、僕の中でのFFオリジンの評価はストーリークリアをするまでの段階では、装備集めによる強化を経て、頑張れば勝てるぐらいの程よい難易度でその世界観を余すことなく楽しむ事が出来たそこまでは最高に良かった。

しかし、エンディング後の追加最高難易度のCHAOS&ミッションレベル300での敵の攻撃力の強さは高難易度アクションを超えた「死にゲー」レベルの強さで、ザコ敵からでも1発2発攻撃を食らったら即寝っ転がる事になる。運良く1発で死ななかったとしても、ブレイクゲージを削り切られてブレイクされたら追撃を食らって即転がる。これが!マークが付かなくなる平均装備レベル295を超えていたとしてもそうなのだから、下手に極めようとすると無尽蔵に時間がかかるという事がよく分かる結果となった。とりあえずクリア前までの評価も含めてFFオリジンの良かった所、悪かった所を書いていこうと思う。

 

FFオリジンの良かった所

  • 謎が謎を呼ぶ不透明さのある序盤から打って変わって、世界の真実と仲間達との血盟の絆を描いた終盤のストーリー展開
  • 名作曲家の水田直志氏がコンポーザーを務めて作り上げた良アレンジの多いBGM
  • ストーリークリアまでの導線が非常に上手いミッションレベルが緩やかに上がる構成&難易度選択によるユーザーの実力差を埋める幅広さ
  • ソウルバーストを決めた時の爽快感
  • 何回でも攻略したくなるボス戦

主にストーリークリア前までの要素とBGMといった全体的な評価ポイントが高い傾向にあり、次の物語が展開されるステージでのミッションレベルは5や10刻みで上がるので、自然と攻略がしやすいサブミッションの攻略で装備集めをするといった導線に乗る事で次のステージでの戦闘などが苦になりにくくなっていたのはとても良かった。

大抵のハクスラゲーはストーリーがあってないようなものという風に言われることもあるのだが、そこは流石FFブランドという事もあって、FFとしてのストーリー性の高さが良く保てていた。序盤のジャックがアッシュ、ジェドと出会いカオス神殿に乗り込む事ができるようになるまでの大事な経緯が陳腐なダイジェストになってしまっていたり、序盤の掴めないストーリーには首を傾げたりもしたが、中盤から終盤に掛けて分かるようになってくる謎の真実と、仲間たちとの絆を象徴したラストはとても感動的で思わず熱中してしまった。主題歌の「My Way」と共に流れるラストシーンは本編のFF1に繋がる演出でとても素晴らしかった。

また、音楽の面でもFFオリジンならではのダークさを感じさせるBGMの質がとても高くて聴き心地が良かった。今作のコンポーザーを務めた水田直志氏はFF11FF13-2FF15DLC「エピソード プロンプト」のゲストコンポーザーを務めた人で、戦闘BGM、フィールドBGM共に数多くの名曲を生み出している。僕はFF11は未プレイではあるものの、広大なヴァナ・ディールの世界観に合った名曲は僕も好きなものが多く、FF15DLCもエピソードプロンプトのBGMが一番好きな程だったので最初から期待感は持っていた。

今回はその期待通り、ヴィランの物語であるFFオリジンの世界観に合ったダークでカオスなBGMの数々は聴き心地の良いものが多く、戦闘、フィールド共に良作が多かった。特に歴代FFの名ステージを模したフィールドでの原曲アレンジはあの頃の懐かしさを感じさせつつも、現代的なアレンジを施された名曲としていつまでも聴いていたいものが多かった。故にサウンドトラックは即購入、僕が特に好きなフィールドBGMは魔の樹海や不夜城のラスト、そして闇の大陸だ。

 

さて、ここまでは良かった部分なのだが今回は悪点の方が圧倒的に多い、特に後述するエンディング後の要素の雑な作りはとても擁護できないレベルだった。

FFオリジンの悪かった所

  • とてもPS5ソフトとは思えない程酷いグラフィックの悪さ*2
  • ゲームモードを「FPS優先」モードにしててもカメラワークや状況によってはFPSの低下があり、安定しない
  • 光源処理に問題を抱えているせいで「明るい所は光の反射が強過ぎてフィールドが見づらく」「暗い所はひたすら暗過ぎてフィールドが見えにくい」問題を抱えている
  • PS5特有の爆速ロードの機能が活かされていない*3
  • ジョブの強さに偏りがある*4
  • 味方側が敵のヘイトコントロールを自由に操れないせいで常にジャックが敵から狙われやすく、集団戦が多いザコ敵との戦いでは袋叩きに遭って死にやすい*5
  • 味方の強さと敵の強さが武器防具の平均装備レベルの数値に強く依存しており、ミッションレベルとの差が「!」マークが付く程の差があるとまともに攻略ができない
  • また、味方自体にレベルの概念がなく、ジョブレベルの上昇やジョブ適性の数値を強化する事で得られる恩恵は微々たるものなので「レベルを上げて物理で殴る」といったゴリ押しも不可能
  • エンドコンテンツの「難易度CHAOS」は敵の異常なレベルの攻撃力の急上昇&でくの棒みたいな耐久力を持ったせいで、初心者お断りレベルの「死にゲー化」「死にゲーではなく、あくまで高難易度アクション」というスタッフの見解はほぼ詐欺みたいなものに
  • エンドコンテンツのミッションレベル300の挑戦に必要なアニマの結晶の要求数が膨大なレベルで多く、別のステージでアニマの結晶集めをしなければならないので作業ゲーになりやすい
  • 上記の戦闘システムやザコ敵の異常な強さ問題を抱えているせいで難易度CHAOS&ミッションレベル300での敵との戦闘は苦痛以外の何物でもない。死にゲーが嫌いな人は投げ出すレベルでキツい
  • 星5装備やアーティファクト装備でのジョブ適正の数値の幅が広過ぎる&適性ジョブが何なのかは完全ランダムなので、任意のジョブのジョブ適性最高値を狙おうとすると異常に時間が掛かる
  • また鍛冶屋を使ったジョブ適正の強化は限界まで強化する事が出来ず、装備毎に有限で融通が効かない。そして必要なジョブの証の必要数も数値が高くなるほど尋常じゃないぐらい多い
  • 更に鍛冶屋では武器防具の適性ジョブの変更をする事が出来ないので鍛冶屋としての装備育成の融通の効きやすさや、カスタム性はほぼ皆無
  • その上、低レベル装備を合成して装備レベルを強化するといった手段がないのでお気に入りの装備で揃えるといった楽しみが持てない。*6

正直、これでもまだ足りないぐらい不満点は多いのだが、特にエンディング後のここからが本番と言われるエンドコンテンツの難易度の急上昇が異常なレベルでキツくハクスラゲーとして最高の装備を求めて何回も敵と戦う事を考えた場合、この敵の異常な強さはあまりにもキツい。

また、ジョブ適性が最高値の装備を狙うには敵からのドロップや宝箱からのレア装備をゲットした時に"偶然手に入れるしかない"という運ゲー化している要素が強くあり、鍛冶屋による装備強化には制限があるせいで、装備を強化する手段としての鍛冶屋はカスタム性が無く、最強装備を揃えるには全て敵からのドロップ&宝箱での入手による運に強く依存しすぎてしまっているが為にやりごたえよりも圧倒的な作業感や苦痛感を感じる部分が強くなってしまっている

もしも仮に、ミッションレベル300に挑戦するためのアニマの結晶の必要数が大幅に低いorそもそも挑戦にアニマの結晶は要らないとしていたり、難易度CHAOSでも頑張れば勝てるレベルの高難易度アクションとしてのバランスを保てていたり、最強装備を入手するための手段がドロップによる完全な運ゲーではなく、鍛冶屋によるカスタム性の高さによって自分だけの最強装備が「作れる」といった懐の幅広さを持てていれば、エンドコンテンツをプレイするためのモチベーションを高く保つ事が可能だった可能性が高く、他のハクスラゲーと同様に無限に楽しめる可能性を秘めた神ゲーになっていた可能性が極めて高かっただろう。

しかし実際は死にゲーと化したレベルでの難易度の急上昇が多くのユーザーをふるいに落としてしまっている。装備育成に対してのカスタム性もなかったり、ドロップした装備のジョブ適正値の幅広さがその辺のスマホゲーのガチャよりも厳しい確率になっているので、ますますやりたい!と強く思わせるほどの動機付けが起きない。

 

だから僕は個人的にこのゲームはエンディング前までは最高にちょうど良く楽しめた神ゲーだったが、エンディング後の要素は一度トロコンを諦めて投げ出すほど苦痛以外の何者でもなかった

単に僕自身のユーザースキルが足りなかったり、死にゲーというものに慣れておらず、堪え性がないからそう評価するんだろうという人もいるかもしれない。まぁ実際今の僕は昔に比べてゲームに対する堪え性が無くなってきているのは確かな事実だ。しかし練習と工夫を重ねて何回も挑んで頑張れば勝てる!という希望を持たせてくれるぐらいの難易度だったら僕も頑張れる。けれどあのFFオリジンのCHAOSの難易度は難しいを超えて理不尽だ。

こちらが任意で敵に対するヘイトコントロールが出来ず、集団でボコられてはい終わりでは誰だってゲームを投げ出すに決まっているだろう。エンドコンテンツではそういった理不尽な場面が多くて救済措置といった配慮が足りない。全てのユーザーに優しくしろとまでは言わないが、せめて理不尽と感じさせるような難易度にはしないで欲しい。と僕は強くそう願った。

 

また、先述したグラフィック、FPS、爆速ロードが無いといった問題はTeamNINJA及びコーエーテクモゲームスの技術力の低さが如実に出てしまっているとしか言いようがないのがまたなんとも辛い。

近年、コーエーテクモゲームスは多くのゲーマーから技術の梯子を降りたと言われるほど作品としてはお粗末なクオリティのものばかりを排出している現状にある。特に顕著なのは某ハードに強く偏向した作品に力を入れてしまっている事で、次世代感を強く感じさせる高クオリティの作品が作れなくなってしまっているのが何とも酷い。

代表的なのがライザのアトリエ2を作ったコーエーテクモゲームス傘下のガストや、多くの無双シリーズのゲームを作っているオメガフォースもその傾向にあり、最初に書いたペルソナ5スクランブルの開発もオメガフォースが作ったのだが、その作品でもグラフィックのキツさやフリーズが頻繁に起きるといった問題が出てしまっているので如何にコーエーテクモゲームス傘下の開発部の技術力が低下しているのかがよく分かってしまった。

その中でもTeamNINJAは落ちぶれるコエテクの中の唯一の良心と言われるほど高クオリティの作品を世に出していたりしたのだが、今回のFFオリジンでのグラフィックの酷さ問題やFPSの低下、爆速ロードが無い事など、明らかな技術力の低下が見受けられてしまい、それは過去2回行われたトライアルバージョンの段階から指摘されていた事だったにも関わらず、あまり良い改善が施されなかった事になる。もしかしたらコエテク全体の技術力の低下がTeamNINJAにも響いてしまっているのかもしれない。エンドコンテンツのゲームバランスの悪さの事を考えてもチーニンは一昔前のような高クオリティなもの作りという期待感に疑問符が着いてしまった結果となった。

 

総評

エンドコンテンツに関してはあまりにも酷いクオリティという事でお茶を濁してしまったが、今後のアップデートやDLCでの改善によっては神ゲーに変貌する可能性をこのゲームは秘めている。デジタルデラックスエディションを買っている関係でDLCコンテンツを享受する権利は得ているのでまたDLCが配信された辺りで再開してそこに期待感を持とうと思う。

とにかくエンディング前と後では評価が大きく分かれる珍しいゲームだった。

しかしエンディングを迎えるまでは実際楽しかったのは事実なので、この先の改善を強く希望する。クソゲーではないが、神ゲーとまでは言えない。何とも微妙な結果となってしまったが、全体を通しては楽しかった。

 

今後のFF作品ではもっと良い物が出来る事を期待して待っている。

 

終わり

 

 

 

*1:当初はジャックの正体を最後まで隠し通そうとしたものの、ネット上で既にジャックの正体がバレている、またはおおかた予想されてしまっているとの事から、最初から正体を明かしてしまおうという思い切った方向転換をするに至ったという経緯がある。

*2:特に髪の毛のジャギー感を強く感じる粗さはPS3未満レベル

*3:場面展開によっては10秒近いロード時間が掛かる事もある

*4:魔法職以外はほぼ近接攻撃オンリーで敵の反撃を喰らいやすく難易度高、逆に豊富な遠距離攻撃手段、回復手段、補助効果手段を持つ魔法職は敵との距離を取って戦えるので強過ぎる

*5:よって闇の噴出口や強制戦闘以外のザコ戦は全てスルーする方が攻略が早く進むという支離滅裂さがセオリーになってしまっている。

*6:これによって早期購入特典やDL版購入特典のブレイブハート&光の盾やリベリオンといった特別な武器がゲーム開始序盤でいらない子扱いされてしまうのがあまりにも不遇