ポッポ屋日記

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ペルソナ5 ザ・ロイヤル"ネタバレ感想記事" 〜全ての要素を終えて〜

 

ご注意

こちらの記事はペルソナ5 ザ・ロイヤルのストーリーネタバレがふんだんに盛り込まれたクリア済みの人が読む事を前提とした感想記事となっております。P5R未プレイの方がこの先を読んでしまうと初プレイ時に受ける衝撃と新鮮さが著しく損なわれる恐れがある為、P5R未プレイの方がこの先を読み進める事は非常に推奨しません。

それでも読みたいという方はどうか自己責任でお願い致します。

 

それではどうぞ

 

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f:id:Gameslifeisff:20210911213627j:imageあなたはその選択を選んだのですね...

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一番最初の衝撃

このP5Rをプレイしてて最初に衝撃を受けたのは11月20日の出来事だった。オープニングの冒頭でカジノに潜入していた主人公が警察に捕まり、取調室で新島冴の取り調べを受ける。そして4月からの物語が回想形式で進んでいるのは最初から分かっていた。だがいつ、どのタイミングでこの取り調べを受ける時間軸まで進むのかが分からないまま物語を進めていた。

そして奥村パレスでの改心失敗の流れから次のパレス攻略の対象となった新島冴のパレス...それがあの見覚えのあるカジノである事が判明し、ここでようやく「あのカジノってここの事だったのか!」と合点が行く事になった。新島冴が抱える大罪は「嫉妬」検事という職業柄、弁護士との直接対決がなされる法廷の場はまさに冴にとっては勝負の場、絶対に負けられない戦いが開かれる場所という分かりやすいイメージとしてカジノが表現されたという事なのだ。

奥村の件のこともあって世間からバッシングを受けていた怪盗団は「君たちの逮捕も間近だ」と警告する明智 吾郎のアドバイスを受けて新島冴の心を改心をすることにした。攻略は順調に進み、シャドウ新島のボスを倒し、いざ脱出!見覚えのあるあのカジノ冒頭シーンの場面が始まった!あの時声を出していた少年少女は怪盗団のメンバーであり、そして最後に出くわす謎の美少女は4月の頃から主人公と何度か交流をしており、とあるパレスでペルソナ能力に目覚めた新キャラクターの芳澤かすみだった。彼女の事はまた後で後述するとして、カジノ脱出を図ろうとして失敗してしまった主人公は警察の行き過ぎた拷問に近い尋問を受けた後、新島冴との取調を受ける時間軸に戻るのだが...脱出失敗の映像を見たあと「この後物語が大きく変化します。ここでセーブする事を勧めます」という何とも意味あり気なテロップが

いよいよ物語は大きく動き出す...そう思った時に出てきたのは新島冴から迫られたとある選択だった。新島冴との取引...これから言う仲間だと思われている人物の情報の真実を言えば減刑を考えるという非常に悩ましい選択肢だった。はっきり言うと1周目の当時、この質問に対してどの選択を選べば良いのかまるで分からず、僕自身はっきりとした答えは決められなかった。迷いなくこれだ!と言える明確な答えが決められなかった1周目の自分はあろう事か最初の怪盗団の仲間に関する選択肢に「良いだろう」を選んだのだ。

自分はこれが良いんじゃないかな...?という迷いも含めて選んだ選択肢だったのだが、「本当にこれで良いのだろうか...?」という主人公からの疑問にえ、違うの!?となり、じゃあやっぱりやめよ!となってこの答えを撤回した。それから二つ目の質問にも吐かない事の選択をした。実はこれでもうバッドエンドは回避出来ているのだが、1周目は攻略情報を一切調べないままプレイしていたが故に、どこまでが重要な選択肢でどれが正解なのかが分からないまま、自分の中では緊張感がずっと続いた状態で選択を選んでいた。

そうする内に冴との取引は失敗、にっちもさっちもいかなくなった時にフラッシュバックする場面...思えば新島パレス攻略開始前の段階から時々白飛びする場面があったりして違和感を覚えていた。その時聞こえてくる怪盗団の話し合う声、何かがおかしい...スマホ?裏切り者?渡す?それまでのストーリーでは一切見たことの無い場面の連続に困惑する自分、そして聞こえてくるどこかで聞き覚えのある声...その声を聞いた瞬間「まさか!!!?」と自分の中で強い衝撃が走った。

刑事があの時に言った「お前は売られたんだ」という言葉...それは怪盗団のメンバーの中の誰かが怪盗団の情報を漏らしたという事を示唆する言葉であるはずだが...それがまさか一番最後にメンバーとして同行して、新島パレス攻略の手引きをした明智吾郎だったとは!!!

裏切り者が何者かが確信した主人公、予想外過ぎる裏切り者の判明に唖然を隠せない俺...そうこうしている内に新島冴のコープランクがMAXになり、スマホを裏切り者に見せるように指示した主人公...冴が取調室を出るとそこに現れたのはやはり明智吾郎だった...怪盗団の情報をリークしたのは無論彼、それによって捜査指揮権を新島冴と取って代わり、主人公の元へと訪れたのだ...そこで冴はスマホを見せたのたが...一瞬の何かが起きただけでさしたる変化を感じられず、そのままスルーするように進んだ冴に対して「おいおいおいおい!ちょっと待てよ〜!」と自分の中で不安感を隠しきれなかった。

 

そして次の映像が本当に衝撃的だった。

 

取調室の前にいる警備の警察官に同行を頼む明智、中に入るとすかさず拳銃を奪い警官を殺す...そして明智はこれまでで一番醜い顔を晒しながら銃口は主人公に向けられ.......

 

主人公が死んだ

 

額から血を垂れ流し、突っ伏す様にそのまま机に倒れる主人公...この時、俺は見開いた目と空いた口を塞ぐ事が出来ず、自分の中でバッドエンドを確信し、絶望が自分の心を一気に支配した。

洗い物中に食器が割れる惣治郎の不吉極まりないシーン、自殺のように見せかける為に自身が撃った拳銃を死体の主人公に握らせる明智...そして主人公殺しを指示した黒幕「獅童正義」の存在の判明、獅童と繋がっていたであろう検事部長の廃人化による突然死、場面は次々と悪い方向に転がっていき、トドメにスマホを見せろってなんの事だったのかしら?」ととぼける冴の言葉に「おいいいいい!!!!!!終わりじゃねぇかよおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」と、Twitterで「ペルソナ5R1周目...バッドエンドになってしまいました...」と先んじて呟こうとしていたほど、あの演出はまさにバッドエンドを確信させるストーリー展開そのもので、その力の入れ具合にATLASの底意地の悪さと見事にまんまと手のひらの上で踊らされた自分のアホさ加減を痛感することになった*1

その後、仲間達がリーダーの逮捕と死亡のニュースを聞いてショックを受ける映像を見て「あぁ...とうとう終わりか...」なんて思っていたら、竜司の「...なんてな(ニヤリッ)」と言う瞬間に驚き、更にイゴールの「お前は1度死ぬ必要があった」という言葉に驚愕し、次々と紐解かれる答え合わせタイムに心底驚かされるばかりだった。結論から言うと怪盗団達は明智が怪盗団達に再び接触をしてきた段階から違和感を感じて怪しいと睨み、調べた結果怪盗団を警察に引き渡そうとする裏切り者である事が判明、更にこのまま明智の提案に乗って進んで行けば最終的に主人公が明智の手で殺される事が既に怪盗団の間で分かっていた。

そこで怪盗団達は命懸けで明智を騙す為の大立ち回りと大掛かりなトリックをしかけてあり、そのトリックは成功、主人公はただ取調室の机に手を組んで座りふんぞり返るだけという最高にしてやったり感満載の顔をユーザーに見せたのだった...*2

主人公の死という誰しもが絶望感とバッドエンド感満載の演出に騙され、二転三転する場面展開の変化と衝撃のトリックが紐解かれるこのシーンはストーリーとしては非常に凝っており、ユーザーに一番の衝撃とサプライズを与えた、衝撃度が非常に高い場面ではあったものの、結果的にこのシーンは僕がP5Rをやった中では一番印象に残るシーンとなっており、怪盗団の...ひいてはATLASの策略は見事に成功したものと思われる。

 

ペルソナ4と3でもこんな衝撃展開があるんだとしたら慣れっこなのかもしれないが、ペルソナ初心者の自分にとっては決して忘れられない衝撃の出来事だった...

 

真に改心されるべき最後の相手

その後、順調にストーリーの進行は続き、主人公との因縁があり、これまでのパレスの主の中で最も強い欲を持ち、無類無き強さを持っていた黒幕の獅童の改心にも成功した。

だがいつもだったら改心によって大きな反応を見せていた世間への影響力は意外と小さく、しかも世間から大人気になっていた大物政治家の不祥事ともなれば大ニュースとなっているはずなのである。しかし警察検察は獅童の逮捕には漕ぎ着けず、それどころか精神鑑定によって逮捕を免れるという有り得ない自体怪盗団はその存在を無かったことにされ、未だに「怪盗団は悪」というレッテルを貼られ続ける事に...

これまで怪盗団達は何かと変化する世間の声に影響を受けて動いてきた側面がある。最初の鴨志田や斑目こそは身の回りに起こった身近に存在する悪を見過ごせなかったという信念に基づいた行動で改心していたものの、金城の改心の辺りから彼らは怪チャンの声などを拾ってはそれに反応するようになっていた。だが奥村の改心では行き過ぎたレベルで怪盗団を祭り上げた上に、過剰に掛けられた期待感から「早く改心しろ」と過激思想派が現れる事態にもなり、彼らは自分たちの活躍で怪盗人気が上がるのを喜んではいたものの、反面過剰にまで熱狂する世間の声に気味の悪さを覚えていた。

そんな世間がいよいよ怪盗団に興味を向けなくなった。散々期待を煽るだけ煽った癖に望まぬ改心をしたと身勝手な主張で怪盗団の存在を悪とみなし、そしてとうとう考える事を放棄した。これぞ正しく「怠惰」最後の改心の相手は世の中全てというこれまたスケールのでかい話になった。しかし獅童のパレスを攻略して例えめでたしめでたしとなったとしても、まだ全ての謎が解き明かされていないメメントの存在や、モルガナの出生の秘密が明かされていない以上更なる何かがあるんだろうなとは個人的に思っていた。しかし怪盗団が立ち向かった敵で最も愚かだったのは鴨志田や獅童といった強い歪んだ欲望を持った個人ではなく、その強い個人を導く者として認識してその身を任せ、それぞれが抱える想いを主張する事もなく考える事を放棄し、全てを流されるがままに委ねてしまう大衆の意識そのものだったとは

でも確かに世間というものほど愚かで身勝手なものはないと僕もまた思う。日々流される事件や事故のニュースに対してリアルでもネットでも関係なくあーだこーだと言えるのはニュースを見ている殆どの視聴者が当事者そのものではないからだ。どんなに痛ましい事件や事故のニュースがあったとしても、同じ目に遭った人でない限り似たような事件、事故の被害者の気持ちに寄り添う事が出来ない。真も言っていたが、結局どんな大事件や事故に対しても自分の身の回りに起こっていない出来事だったりすると実感が湧かずに他人事のように感じてしまい、世間話のネタとして消費されてしまうのが関の山。そこに罪の意識はなくとも個人が発した小さな悪しき心はやがて集団的意識に繋がり、罪深き群れの集合体となる...悪意の無い無自覚な悪ほどタチの悪いものは無いのだ

メメントスが「みんなのパレス」と言われていた最大の理由と、大衆の願いの意識が生み出した悪神の存在、そしてそんな悪神が主人公達に仕掛けた勝ち目のないゲーム...など、真に改心すべき相手はすぐ傍にいた事や、ラヴェンツァが発していた「あらかじめ未来を閉ざされた運命の囚われ」という言葉も全ての合点がいった。

 

正直、ここまで用意周到にストーリーが練られていたのには心底驚いた。そしてここまで歩んできた物語で最後に戦う存在の元凶は目覚しい発展と進化を繰り返す現代人に対する風刺の効いた警告だと捉える事も出来る。

己の中の信念や個を主張せず、流されるままに生きる事を辞めるのは相当難しいかもしれない。けどこの作品を通じてそんな考えを少しでも改められたら...と目を覚ました大衆の力を受けて悪神に打ち勝つ怪盗団の活躍を見てそう思えた。

 

 

悲嘆の願いから生まれた歪んだ現実世界

三学期編は色々と衝撃的なストーリーだった。

主人公が新年に目を覚ますとモルガナはイケメンの人間になっていたし、双葉が居ないはずのお母さん(一色 若葉)の事をまるで存在するかのような言い方で言及する様になった上に、実際本当にそこにいる。おかしいのはそれだけでなく、杏は引っ越して離れ離れになったはずの志帆と一緒に幸せそうに過ごしていたし、竜司は陸上部にトラブルなく今でも所属している事になっている。祐介はあれだけ酷いことをされたはずの斑目を師と仰ぎ共に絵の修行をしていることになっているし、真は殉職したはずのお父さんと一緒に過ごしている。春は廃人化で死んだはずの奥村邦和と共にビッグバンバーガーの仕事を一緒にしていたりする。

それまで起きていたはずの怪盗団のメンバーの過去の悲劇が「起きなかった」事になっていた。

この異変に気付けたのは主人公と芳澤かすみ、そして獅童パレスで死んだはずが生き残っていた明智の3人だけ...この異常事態に3人は悪神を倒すまでの間に1度だけ行ったあの謎のパレスに入る事に...

 

そこからの顛末は凄まじいものだった。

パレスの主がなんと秀尽学園で非常勤カウンセラーとして赴任していた丸喜拓人だった上に今まで芳澤かすみだと思っていた少女が実は丸喜のペルソナ能力で姉の芳澤かすみだと"思い込んでいた"妹の芳澤すみれだったりと、衝撃事実のオンパレード、しかも丸喜先生は統制の神によってメメントスと現実世界がひとつに融合した瞬間に彼の中のペルソナが完全覚醒し、更に統制の神が倒された瞬間、その神と同等の力を手にした事でメメントスに干渉し、認知の曲解のペルソナ能力によって個人の悲劇的な過去を無かった事にし、その人個人が幸せにしかならない運命を辿るように仕向けられていた。

丸喜先生のペルソナはチートもチート級レベルのとんでもないもので、偶発的に得た力だとはいえ丸喜先生は神になった。パレスを持っているということは彼もまた怪盗団によって改心すべき大人ではあるのだが、丸喜先生の場合はこれまで改心してきた大人とは決定的に違う所がある。それは彼が基本的に善人であるという事

これまでカウンセリングを受けた仲間たちとの描写を見れば分かるが、彼は人の心の悲しみや痛みを共有して分かち合い、その気持ちに寄り添う事が出来る人として素晴らしい人だ。誰かに恨まれるような要素も持ち合わせていなければ怪盗団の敵となる事も本来はなかったはずだ。しかし三学期編に入った時の彼は認知の曲解によって人の人生や存在を意のままに操る事が出来る力を手に入れた。その気になれば敵対する相手になる怪盗団の存在だって認知の曲解によって抹消する事だってできるはずだ。しかし丸喜先生が敢えてそうしなかったのは何より彼自身が怪盗団のメンバーの幸せを願ってるより他ならないからだ。丸喜先生は怪盗団メンバーとのカウンセリングによって昔追いかけていた夢を諦めた事、大切な人を失った事の事情に触れた。その悲しみを知っているからこそ丸喜先生は純粋に怪盗団の人生の幸せを願っており、正気に戻った主人公がこの造られた幸せしかない現実世界を受け入れてくれると信じているからこそ彼を最後まで説得しようとしていたのだろう。

神となった丸喜先生はその力を己自身の名声を得る為に使うのではなく、1人1人の人生を幸せにしたいと他人に尽くす為に使う...いわば丸喜拓人の救世の願いなのである。

 

他のブログでも述べられているように、この三学期編は非常に考えさせられるストーリーだった。彼自身もまた恋人の留美を失う*3という悲しみを背負っており、その心の痛みを知っているからこそ彼は人に優しくする事が出来る。だがそれは同時に争いや理不尽に満ちた現実世界に対する悲嘆の思いを強く膨らませる事になり、丸喜先生が幸せしかない偽りの世界を創ってまで世の中を大きく変えたのは、理不尽に溢れ返った元の現実世界が受け入れられないからである。

それは言い換えれば"辛いと思う出来事からの逃げ"になるのかもしれない。だがそれでも普通に考えてみたらそんな悲しみや苦しみの出来事には最初から遭わない方が良い、身体の傷は日数が経てば回復はしても、心の傷は下手すれば一生その傷を抱えて苦しむことになるかもしれないからだ。

確かに世の中は本当にクソみたいな理不尽が多い世界だ。普通に人生を生きようとしているだけでも理不尽な目には誰かしら必ず遭ってしまう。その度に挫折して、心が折れ、傷付き、それでも人間は何とか頑張ろうと必死になって生きている。それでも世間の吹く風は冷たく、頑張ってる人に対して更に酷い仕打ちをしてくる事だって当たり前のようにある。そうして人はどんどん追い込まれていき、それが限界を迎えてしまった時、この世に居る事を否定した行動に走ってしまうだろう...

丸喜先生の創った世界ではそんな理不尽や差別は存在しない。全ての人が平等に幸せになる権利を享受する事が出来て、争いや競走も存在しない幸せな世界...本物の現実にもしこんな素晴らしき世界が存在するのであれば、例え丸喜先生の支配下に置かれたとしても丸喜先生の創った現実に生きる事を選ぶ人は大勢居るであろう。

 

怪盗団は結局挫折や悲しみから逃げずに乗り越えた事で強くなれた経験や、その出来事があったからこそ出会えた人達との新たな絆を育むチャンスを全て奪われることは絶対に嫌だとして丸喜先生に立ち向かう事になったのだが、今回ばかりは「元の現実世界を取り戻す」選択をした怪盗団の行動に異を唱えるユーザーも少なくはなかった。

別に逃げることは決して悪い事ではない。寧ろ今目の前で起きている理不尽な問題があるせいで自分が苦しい思いをしているのに逃げてはダメだと向き合い続けてしまったせいで心が壊れ、最悪の結末を迎えてしまったら?大抵の人間の心はそんなに強くない。怪盗団から勇気を貰うことは出来ても、怪盗団のような強い心を持ち合わせている人間はほんのひと握りしか居ないのである。これは僕自身が心が壊れてしまう前に目の前の理不尽から逃げ出す事で安寧を手に入れる事が出来たというリアルな経験があるからこそこういう視点で考える事もできるのだろう。

 

だが怪盗団は丸喜に立ち向かう事を選択した

これは目の前の悪を淘汰する勧善懲悪ものでは無い、世直しなんて大それたものでもない。怪盗団の正義と丸喜拓人の正義、互いが互いに譲らぬ正義と正義のぶつかり合い...自らが正しいと思った事を証明する為の個人的な決着...丸喜先生のお宝を奪いに行く決行日の時だけに流れるI Believeとラストバトルで流れる「Throw Away Your Mask」はペルソナ5Rで流れる曲の中でトップレベルでカッコ良く、そして怪盗団の想いと丸喜拓人の想いが込められたそれぞれの曲の歌詞の対比がとんでもなく胸に来る熱い戦いだった.....

 

この戦いの決着、そしてエンディングまで最高のストーリーだった

 

「僕らの光」は明智吾郎への追悼曲

忘れてはならないのは明智吾郎の存在だ

明智はカリスマ探偵王子として世間からの人気を博す高校生、しかしその出生は獅童の愛人だった女から生まれ、父であるはずの獅童明智を捨て逃げ、母親もまた明智が生まれたことを理由に獅童から捨てられすぐに亡くなってしまった。明智は成長すると共に積年の恨みを獅童に向けて溜め込んでいた。そんな所に統制の神が自らが仕掛けたゲームの駒として明智に目を付け、ペルソナ能力と異世界の事についての力を与えた。彼がカリスマ探偵として活躍していたのも実際は自分が廃人化を起こした事件を振り返って解決している他ならない。

この能力を使っていつか獅童への復讐を成し遂げる。そう心に誓っていた明智だったが、結局獅童には明智が自分の息子である事に薄々勘づいていた上に自分の総理大臣就任の為の手駒として利用していただけに過ぎず、利用するだけ利用した挙句、獅童の中の認知上の明智と同士討ちになる最期を迎えた

 

異世界を使った数々の廃人化事件や精神暴走事件を引き起こした実行犯な上に双葉の母の一色若葉、そして春の父親の奥村邦和を廃人化という形で殺し、主人公の事も一度殺した作中でもかなりの大罪人ではあるものの、結局彼もまた理不尽な大人と現実に自分の人生を棒に振るレベルで振り回されただけに過ぎず、ある意味因果応報だったとはいえ、それまでの人生を掛けて成し遂げようとしていた復讐も果たせずに最期を迎えたのは何とも切ない結末だった。

 

しかし三学期編に入る直前の12月24日、彼は生き残っていた獅童の犯罪を証明するために警察への出頭を主人公にお願いしていた冴の元に彼は突然現れたのだ。1周目でこの展開を見ていた僕は明智が生き残っていた事が実は嬉しかった。相討ちになる土壇場で確かな絆を紡ぐ事が出来た相手だったのにいなくなってしまう。その事が僕にはとても切なく、悲しかった。だから彼が生きていたという事自体がとても喜ばしい。この時はそう思っていた...この時までは...

だが、2月2日の夜...丸喜先生のパレスのお宝ルートを確保し、作戦決行日の前の日の夜に丸喜先生とルブランで会話した時の事...丸喜先生は主人公が獅童パレスで明智の事を助けられなかった事を後悔しているのでは?と問いかけた後「君が彼(明智)とやり直せる現実を創ったんだ」と言った。その言葉はつまり.....

この事実を知ったとしても明智自身の考えが変わることは無かった。丸喜先生が創った幸せしかない現実を独善的で反吐が出ると最後まで偽りの現実を否定し、主人公の迷いを断ち切らせる為に背中を押した。

誰かに創られた現実で、一生飼い殺されるなんて御免だよ

例え己自身の存在が消える事になっても、散々誰かの掌の上で踊らされた明智としてはこれ以上無いほど重い言葉だった。

君が迷うことは...僕への裏切りだ

またこれは明智に問いただされた質問である答えを選ぶと聞けるこのセリフ...自分自身の望んだ復讐の為に数々の罪のない人達を殺人してきた事でその手を真っ黒に汚してしまった彼が、普通の高校生として過ごし、普通に生きる事、幸せになる事をもしかしたら彼の中でもそれは許されない事だと悟っていたのかもしれない。

全てを消して清算したいとする明智の想いに対して主人公が迷う事は彼に生き地獄を味わわせるのと同義で、だからこそ出た言葉なのだろう。

 

エンディングテーマ曲の「僕らの光」は主人公の明智に対する想いが込められた追悼曲だと思っている。目の前で二度消える事になってしまう明智に対して主人公は最大のライバルとして、そして友として強く思う所があったはずで、この曲はそんな明智に対する主人公の心情を歌った名曲だ...

彼は最後の最後まで正式な怪盗団のメンバーになる事が出来なかった。ただ三学期編のあの時、あの1ヶ月の間だけは彼もまた怪盗団のメンバーと共に行動出来たことが彼にとっても実は最高に楽しかったのでは無いのだろうか?たった1ヶ月の僅かな思い出だったとしても、彼は最後の最後に主人公と共に力を合わせる事が出来て良かった...そう思ってくれていることを僕も願うばかりだ。

 

三学期編は夢を奪ってしまったと苛まれ、偽りの自分を纏っていた芳澤すみれが本当の自分を取り戻し乗り越える事と、丸喜拓人が思い描く理想の現実と怪盗団が望む元の現実...正義と正義のぶつかり合いによる戦い、そして明智吾郎の最初で最期の贖罪の物語。

蛇足だと言われる事も多い三学期編だが、僕は最高の追加ストーリーだとそう思えた。

 

 

そして、あのエンディングで見えたあの制服...あれは夢かまぼろしか...それは神(ATLUS)のみぞ知る.....

 

 

真の総評

このゲームの唯一にして最大の批判点として無印版から追加されたたった5%の要素のためだけに無印版購入者に対してもフルプライスでソフトを提供するという形には大荒れしていた面もあった。

僕はこれが人生初のペルソナだった為、全てが新鮮な事ばかりだったP5Rに対しては完全版である事は批判の要素にはならないのだが、無印版購入者に対するアフターサポートを設けなかったという意味では確かに批判されてもおかしくない点ではあった。

しかしその点があるにしても無印版より一気にやりやすくなったパレスや日常活動の攻略に、PS4Proエンハンス対応による画質の向上や追加要素にも十分なボリュームがあると個人的には感じ、マイパレスの充実具合等やり込み要素も凄まじいものがあった。

僕にとって人生初プレイとなったペルソナ5 ザ・ロイヤル...寝る間も惜しむほど圧倒的なそのゲームボリュームに対していつまでも飽きさせない衝撃の展開の連続に心が踊り、杞憂した。僕は素晴らしきゲームに出会うことが出来た。

 

今後もペルソナシリーズをやっていくかは分からないが、少なくとも僕はこのゲームをプレイしたという思い出を絶対に忘れることは無いだろう。

 

結論「何から何まで最高のRPGゲーム」

 

以上です。ここまでの長文、読んでくれてありがとうございました!!!

 

 

 

 

 

*1:後に2周目で敢えて新島冴との取引に応じるバッドエンドを見た時は、本物の主人公が死ぬ映像は同じだったものの、その後の演出がバッドエンド回避ルートと比べて随分あっさりしており寧ろバッドエンド回避ルートの方がより絶望感を煽る演出が強かったが故にこの時は本気で絶望感に打ちひしがれた

*2:このトリックは言葉だけで説明するにはあまりにも複雑且つ難解過ぎるトリックのため、それをここで説明するのは割愛する。詳しくは実際にプレイして確かめてみよう!

*3:失うと一言で言ってもこの世から居なくなるという単純なものではない。それ以上に辛い失い方をしているが故に留美に関係したとある回想はとても心に来るものがある

ペルソナ5 ザ・ロイヤル感想記事 〜怪盗団に心奪われた300時間〜

 

「あなた史上最高のRPGは何ですか?」

ゲームが好きと言う人でRPGに触れた事のある人だったら必ず1回は聞かれているであろうこの質問、自分の人生を変えるほどの価値観を一変させた名作をひとつに絞って選ぶのはゲーマーの人ほど選ぶのが難しいだろう。

候補として定番なドラクエやFFシリーズはもちろん、テイルズシリーズやサガシリーズ聖剣伝説シリーズ、ゼノシリーズ、メガテンシリーズとRPGは豊富に溢れており、最近ではインディー作品でありながら衝撃の展開でユーザーを震え上がらせたUndertaleも候補に入ってくるだろう。

そんな中、RPGの話題で必ずと言っていいほど出てくる名に「ペルソナシリーズ」がある。ペルソナとは1996年に初代PlayStation用ソフトとしてATLUSが発売した「女神異聞録ペルソナ*1という初代作を皮切りに正当な続編に当たるペルソナ2「罪」と「罰」を発売、そしてテーマカラーを設け、オシャレでスタイリッシュな面を全面的に押し出す事に方向転換をした「ペルソナ3」を発売したことでペルソナは1つのRPGシリーズとして独立、今やペルソナはメガテンに並ぶATLASの2大RPGとしてその代表に君臨している。

そしてペルソナ5 ザ・ロイヤル(以下P5R)とは2016年にPS3/PS4の縦マルチソフトとして発売していた「ペルソナ5」に大型の追加ストーリーとUIの変更、ゲームをプレイする上での快適性を追求した仕様変更を加えてPS4専用ソフトとして発売された無印版のアッパーバージョン、俗に言う「完全版」である。

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元々2016年発売の無印版はRPGとしては世界的に高い評価を受けており、その年にGOTYを獲得をした上に様々なゲームメディアで神ゲーとして高く評価されている。そんな中で出たP5Rは今まさにこれからペルソナを始めようとしている人やペルソナ初心者の人がやるのにはうってつけな作品となっており、ペルソナ5の全てを味わい尽くすという意味でもP5Rはベストゲームであり、中古市場での定価からの値下がりもほぼ無いという非常に稀有な作品だ。

 

出会いのキッカケ

P5の存在を初めて知ったのはスマブラ...ではなく、地上波のテレビで流れたP5とどっかの企業とのタイアップコラボCMだった*2。当時のP5テーマ曲でもある「Wake Up, Get Up, Get Out There」のサビと共に自慢の仮面を取ってこちらを見つめる主人公のイケメン具合に「おぉ〜...何だこのイケメン...そして曲がカッケェ」とペルソナという存在を何も知らない当時の自分は主人公の「頂戴する!」という朧気に聞いたようなセリフと共にその時はまだその存在をスルーしていた。

あの時はまだ任天堂一筋だったということもあり、任天堂ハードとは殆ど縁もゆかりも無いシリーズであるペルソナシリーズに触れられる機会は全く無く、本格的にその存在を大きく認知する事になったのはやはりスマブラでのゲスト参戦が大きなキッカケとなっていた。高校生でありながら怪盗、そして義賊、かつて破滅の運命の渦中に巻き込まれていたペルソナ使いの少年の参戦はペルソナの味とも言えるスタイリッシュさとオシャレさをこれでもか!とスマブラでも完全再現しており、ぶっちゃけて言うとあの当時は「惚れた」

僕は新しいスマブラをやる度にスマブラに参戦したゲストキャラの元ネタのゲームが気になってプレイする傾向にあるみたいだ。Xの時はMGS(1〜4までプレイ)、forの時はベヨネッタ、そしてSPではP5Rとキャラクターに対するカッコ良さに惚れ込み、その存在が気になり始め、そして実際に買い、プレイする。ミーハー的ではあるがそのどれもが自分にとっては面白かったが為にスマブラはある意味ゲストキャラのゲームの宣伝にはうってつけなゲームだなと心底思った(笑)

ジョーカーのスマブラでの参戦から早2年...僕がP5Rを実際にプレイする事になったのは2人の友達のおかげだった。今年の3月末近くに4KテレビとPS5を買った事で僕はPS4、PS5でしか出来ないゲームができるようになった。今年の5月末頃、念願だったFF15DLC含めて全ての内容をやり切り、次のゲームはどうしようかと呟いた時、友達から「ペルソナをやれ」というお達しが届いた。このお達しは僕がFF7リメイクのためにPS4を買った時から言われ続けていた事で、彼はP5Rが激推しだった為、僕をペルソナの沼に沈めようとしていた。しかし生憎僕はP5Rを持っていない。これから買うにしても直近にはPS5版FF7Rが待っていた為、休憩期間が欲しかったのも含めて新しいソフトを買うのに少々ためらっていた。しかしそこに別の友達から「ソフト貸そうか?」と僕に言ってくれた。鶴の一声とはまさにこの事かと思った。...と、同時にそれ程までにこのゲームソフトをやって欲しいんだな...という2人のこのゲームに対する熱意が伝わった。後日、深夜に友達がソフトを届けてくれた事でP5Rをプレイできるようになった。

 

僕の怪盗団としての冒険はここから始まった

 

結果

結論から先に述べると僕はこのゲームを2周した。難易度は1周目はNormal、2周目はHARDとP5Rの全ての要素を味わい尽くした。フォロワーさんから「このゲームは2周目からが本番」と言われているように、1周目がペルソナのシステムの全容を理解するための期間だとしたら2周目は本番、2周目からしか楽しめない要素を遊び尽くすという意味でも3ヶ月半の時間を掛けてこのゲームをクリアした。

f:id:Gameslifeisff:20210910133426j:imagef:id:Gameslifeisff:20210910133435j:imageアワードも全てコンプリート、壁一面が煌びやかな黄金に輝く

感想は「最高のゲーム」の一言に尽きる。RPGとしては戦闘が単調になり過ぎないようにする為にバトンタッチ、銃による攻撃、ダウンショット、ボス戦での特殊行動、総攻撃...と、多彩な戦略性を持たせている事と爽快感溢れる演出により、雑魚戦でさえ作業感やストレスを感じさせない作りになっているし、パレス攻略中の謎解きも難し過ぎず、かと言って簡単過ぎない小気味の良いバランスで練られている。

日常生活パートではどんな活動をすべきかという選択肢に大きな幅があり、ありとあらゆる行動の全てが決して無駄にはならない。特に1周目は人間パラメータという数値を上げなければならないという事もあって、リアルでも当たり前のように誰しもが取る行動が人間パラメータの成長に繋がっている。当時の僕はネタバレ防止の意味合いも含め攻略情報を一切見ずにゲームを進めていた為、手探り感に立ち止まってしまう事も何度かあったのだが、1周目クリアの時点では何とか人間パラメータの全項目MAX、コープキャラとのコープレベルを全員MAXで終える事が出来た。

肝心のストーリーの方はと言うとオープニングのカジノ脱出で描かれる怪盗団*3の総出演と謎の美少女の登場、順調かと思われていたところでいきなり警察に捕まる主人公...逮捕の直前に言われる「お前は売られたんだ」という不穏な言葉...拷問に近い尋問を終えたあとの女検事 新島冴との邂逅など、謎が謎を呼ぶプロローグから始まり、調書を書く形で始まる過去の回想形式で物語は進む。

然るべき日が訪れるまでの間には今や大怪盗団となった様々な仲間たちとの出会いと絆を深めるストーリーが紡ぎ出され、その裏で暗躍する不穏な存在の魔の手も同時進行し、怪盗活動が順調に進んでいく序盤から様々な伏線が随所に張り巡らされており(それも2周目じゃないとユーザーが気付かない程の小さなものまで)、ストーリーが後半に進むと不穏な展開に方向転換するようになる。そしてとある日...ユーザーに迫られるある選択によって物語は怒涛の急展開を迎える。

そこからのストーリークリアまでの流れは胸熱な展開が続き、ここまでの間に怪盗団のメンバー1人1人の物語を見てきたユーザーとしては心にくるものがあり、ラストバトルでは大団円とも言える熱き逆転劇に心踊らされた。つまり何が言いたいのかと言うと、4月〜12月までに描かれた無印版の流れを汲むストーリーは順調に勢い付く怪盗団の躍進と暗躍する影の存在、様々な伏線を張ってからの11月のあの日での衝撃的な展開に心底驚かされ、12月には主人公と因縁があるとある男と戦い、最後の戦いに挑む...警察に追われる立場の怪盗団でありながら己の信じた正義を仲間達と共に貫かんとする姿勢と、これはゲームであると分かっていながら日々過ごしてきた活動や仲間たちとの思い出が積み上がっていた事もあってこのゲームが終わってしまうという事の喪失感は半端ではなかった。

起承転結としては全てが完璧なシナリオとなっており、クリアまでには長期間を要する事がこのゲームに対する想い入れを深くするのに一役買っていて、気付けば僕は友人の策略通りペルソナという名の沼に沈みこんでいた。

戦略性のあるバトルを展開する事も可能でパレスの謎解きもバランスも良い、ペルソナシリーズの大きな魅力の一つである音楽は日常的なものはいつまでも聴いてて飽きさせない作りな上にバトル曲は稲泉りんさん(2017年まではLyn(りん)名義での活動)のボーカル曲がユーザーの心を熱く滾らせ、ストーリーは完璧、全てに於いて最高と言える素晴らしいゲームだった.....平日の仕事帰り、明日も仕事が控えている夜であったとしても一度起動してしまえば最後、深みにハマってやめ時が分からなくなってしまい、気付けば朝...なんて事もしばしば、それでも僕はこのゲームをプレイしている中で1度も飽きる事は無かった。最後の最後までプレイしててこんなに気持ちの良いゲームをしたのは人生でもしかしたら初めてかもしれない。

 

世界がこのゲームに熱狂し、多くのゲーマーを唸らせ、無印版がGOTYを取れたのも納得の出来と言えよう。

 

リアルにも通ずる歪んだ大人達の堕落の経緯

ここからは僕の個人的な思いになるのだが、怪盗団が物語中で立ち向かう敵達の殆どは皆彼らよりも長い人生を生き、多くの人生経験を積んできた大人達だ。しかしそれぞれが独自のパレスを持つほどの強い欲望によって歪んでしまっている。例えば一番最初に戦う事になる鴨志田 卓(かもしだ すぐる)は元バレーボールの金メダリストという輝かしい栄光を持っていながら、色欲に塗れた事でその栄光を強い権力として振りかざす事で多くの生徒達には傍若無人な態度で振る舞い、学校関係者の上層部に対しては有無を言わさず、鴨志田の生徒に対する体罰や淫行に対して黙らせていた。*4

しかし鴨志田という男も元は普通の体育教師だったはずである。人間である以上それなりの欲は持っているだろうが、体罰に淫行とここまでの事をさせる程歪んでしまった原因はどこにあるのか?それはパレスを攻略した後に怪盗団が手にする宝がそれを説明してくれる。

鴨志田の歪みの原因金メダル。それは輝かしいほどの栄光を手にしたひとつの証であり、鴨志田自身が誉れ高き存在である事の証明にもなる代物だった。その当時の鴨志田はきっと己自身とチームワークの力で勝ち取った金メダルに対してとても光栄に思えただろう。しかし何年もの時が経ってもその栄光をいつまでも忘れる事が出来なかった鴨志田は自身が世間からただの時の人として風化される事を許す事が出来ず、せめて身の回りにいる人間に対しては自分が何者であるかを分からせ、崇めさせたかったのだろう

世間からの注目を浴びるという事がどんな気持ちにさせるのかは残念ながら僕自身そうなった事がないので何とも言えないが、少なくとも周りからちやほやとはやし立てられ、尊敬の念を持たれる事が相当の自信に繋がったと同時に謙遜する事を怠り、自身が驕る原因となってしまったのだろう。それが結果的に自分自身の中で持っていた性癖に強く相互作用し、色欲の王となった...

怪盗団と相対した時の彼らは歪みの極みとも言える状態になっているが故に完全な悪党として描かれる事になる。しかしそんな彼等も元は人間であり、人間だったら誰しもが持つ欲が肥大化した成れの果てに過ぎないのである。そうなるまでに至った経緯の事を考えるとそれは現実世界でも普通に有り得る普遍的に悲しい背景がある。1周目の時は正直、彼らは全員怪盗団が改心させなければならない敵としてしか認識していなかった。しかし2周目ともなると彼らのバックグラウンドにより深く着目するようになり、そんな彼らを単純な絶対悪として懲悪する事が出来ないのである。

 

もう1人の歪みの主をここに書こう。2人目の敵となる斑目 一流斎(まだらめ いちりゅうさい)は「日本画の天才」と世間から言わしめ、日本が世界に誇る日本画家、日本画の常識に囚われない様々なタッチで描かれる作品はそのどれもが個性に溢れており、見る者の心を引き込ませる。オマケに幼少の頃に母を亡くし孤児となっていた喜多川祐介を養子として引き入れ、絵の技術を教え込んできた、一見すると才があり、人間的にも素晴らしい好々爺のようにも思える。.....だがその斑目もまたパレスを持つ程の歪んだ人間であり、その正体は師と崇めて弟子入りを志願してきた若き画家達をあばら家に住まわせ、碌に絵の事を教えもせず、それどころか弟子の描いた作品を自分の作品として世に出してしまうという画家を名乗るのも烏滸がましい人物であった。

画家として天賦の才を持っていた祐介の事もまた己の名声を手に入れるために搾取するだけの存在としてしか見ておらず、怪盗団と相対したシャドウ斑目との会話で祐介を養子として育てたのもただの情や善意で育てたという単純なものではなく、才能ある存在を自分の手の届く範囲に身を置かせることで祐介が画家として開花する事を阻害するだけでなく、その天才的着想を己の物にするという下劣で身勝手極まりない理由によるものだった。当然怪盗団は斑目の存在を許しておけるはずもなく、彼を改心させる事でその罪の全てを現実世界で吐かせた。パレスの世界はまさに虚飾の御殿にして才のない主である事が分かったわけなのだが...

斑目もまた当初は自分の力と努力で絵の技術を向上させようとしていたはずである。しかし絵というものほど才能とセンスが物を言う創作も他に無いだろう。斑目にはたまたま人の心を惹きつけるほどの絵を描ける才能も技術も無かった。何年もの努力と経験を積み重ねる事で絵の技術自体を上げることは出来たであろう。しかしその努力を持ってしてもセンスは生まれながらに持てるか持てないかが決まってしまうもので、努力だけでは決してカバー出来ないのである。その事で斑目は何度も挫折と劣等感を味わい、筆を折ってきたのであろう。「自分には絵の才能がない」その事実を素直に認める事が出来ず、かと言って努力だけでは埋めきれない他の画家との実力差に何度も打ちのめされてきたのだろう。才のない自分自身に対するやるせなさと己を凌駕する他者に対する嫉妬心から斑目は最も簡単に名声を手にすることが出来る手段に手を出してしまった。それは生みの苦しみを味わい、否が応でもあってしまう同業者や他者との比較で自分の生みだした創作物に劣等感を抱いてしまう人だったら誰もが共感できる気持ちではないのだろうか?

斑目の様にちょっとした躓きや挫折が原因で悪い方向に落ちてしまう事はリアルでも誰しもが有り得る事である。実際僕がかつて繋がっていた某絵師が自分の描いた絵を凄いと言われる事に快感を覚えてしまったのか、安易にトレスに手を出してしまいしかもトレスである事を一切言わずに自分の描いた絵として発表してしまったという事が何度もあった。結局その人は無断トレスを糾弾された事で絵を描く事を辞めたのだが、こういうトレスや最近話題のトレパクといった問題はリアルな現実世界でも起こり得る問題として普遍的なものなのである。ペルソナ5Rに出てくる主要なパレスの主たちは人間の誰しもが抱く欲の権化として突出していただけの話なのであり、そのどれもが絶対悪としては単純に断罪する事が出来ず、考えさせられるものばかりであった。

 

思えば怪盗団と戦う事になった彼らの欲は有名な「七つの大罪」と「八つの枢要罪」を元にしていると思われる。

色欲、虚飾、暴食、憤怒、強欲、嫉妬、傲慢、怠惰、そしてもうひとつ...神話の時代から罪深い生物として描かれている人間は如何に堕落しやすい生物であるかが如実に示されている。僕はP5Rからそんな人間の業を学んだ気がする。

 

心の怪盗団がもし実際にいたら

そんな悪党に立ち向かう怪盗団はその誰しもが壮絶な人生を歩んできた子供たちばかりだ、怪盗団のメンバーが増えていく度に彼ら彼女らの壮絶な過去が明かされ、ユーザーに強い印象を残す。そしてその誰もがとても強い心を持っている。理不尽な世間や周りの大人たちから虐げられてきた境遇に立たされていたとしても己の中にある信念を決して捻じ曲げず、また反逆の意思を持ち合わせていても、その力をパレスの主たちの様に己自身の力を誇示するために使わず、他者を思いやる正義感から行動をしていく...それはとても素晴らしい事だ。

ただ彼らが素晴らしいのはそこだけではない。彼らは時々自分たちのしている行い(改心)に疑問を持ったり悩んだりする事もある。自分たちが進んでやろうとする改心行為は果たして本当に人のため、世のためになるのか?自分たちの思う正義と改心をしようとする人物の周辺人物の望みが一致しておらず、己の中にある正しさだけに拘ってそれが驕りに繋がり、望まぬ結果を招くだけなのではないか?怪盗団は時々その事で悩み、それが原因で喧嘩になりそうな事もある。皆が皆同じ思想を持つ一枚岩ではないからこそ起きる事であり、そしてそれは凄く人間らしい。

人は悩む生き物だ、この世に悩みのない人間は居ない。悩むという事は今進んでいる道、進もうとしている道から一旦立ち止まって、振り返り、考える行為だ。悩んだ末に答えが見つかるとは限らない。しかし悩む事無く突き進む事が決して良い結果に繋がるとは限らない。悩む事は自分が今している事/しようとしている事の善と悪を判別するのに与えられた猶予だと個人的に思っている。正直そこで道を踏み外してもおかしくない場面はいくつもある。ただそれでも彼らは見事に道を踏み外すことが無く、己の信念を曲げる事もせずに正しいと思う事を貫いた。その辺の大人たちよりもずっと大人な高校生だなと思った。

 

興味深いのは作中に描かれる世間の声、そしてその流れだ。作中では「大衆」として言及されている世の中の声というのはとてもリアルだ。街中を歩いている中でも聞こえてくる街の人達の吹き出しはよくある日常的な会話から周辺人物に対する理不尽を不満にしたもの、そして世間を騒がす怪盗団と改心された人物に対するニュースへの言及...等、大衆の声は流浪的に、そして流動的に絶えず変化している

怪盗お願いチャンネルという三島 由輝が立ち上げたファンサイトでは匿名スレッドに常に書き込みがされており、その文体や書き込み内容もめちゃくちゃリアルだ。基本匿名であるから書き込まれる言葉の端々に責任感は感じられず、よく分からないネット用語が飛び交いつつも、ネットの声は世間の声のひとつとして作中では認知されており、怪盗団のメンバーも時々怪チャンの声を見て世間の声の全体の流れの変化を感じていたりする。*5

大衆は自分の身の回りには関係の無い話ではあるものの、彗星の如く現れた怪盗団に対しては常に関心を持つようになった。それは彼ら怪盗団のやる改心行為が結果として悪人の逮捕というニュースとして報じられる事で怪盗団を正義のヒーローとして認識し、「世の中を変えてくれるかもしれない救世主」として一時期は彼らを祭り上げたりもしたものだ*6。...かと思えばある時を境に怪盗団を極悪人だと認識して手のひらを返すなんて流れになったりもする。他力本願的に怪盗団を頼っておきながら見事に勝手極まりない大衆ではあるが、もしも現実世界に本当に怪盗団のような存在が現れたとしたら?と考えた時、リアルな世間でもこんな有象無象に溢れるんだろうな...と考えていたりもする。

それに改心行為によって人間の悪しき心を直して貰えるのなら怪盗団に頼りたくなってしまう気持ちも正直分からなくはない。僕にも改心して欲しいと強く思う相手がいるからこそ「怪盗団が本当にいたらな...」なんて思う事もしばしばある。

世間の殆どは事件の当事者の気持ちなんか知りもしない、だから自分勝手な事も言えるし無責任な言葉も書き込める。それが結果的に当事者や誰かの心を傷付け、自分の中の小さな悪心が滲み出ている事なんか知りもしない。とあるキャラが言ってるように人間は愚かな生き物だ。そんな現代の愚かさを描いた人間を大衆という形で表現したP5Rは現代に通ずるリアルさがあってとても面白かった。

 

主人公の最終ペルソナ紹介

主人公はワイルドという素養によって複数のペルソナを持つ事が出来る。それによって色んなパターンのペルソナを持つ事が出来て、自分好みのペルソナを育てることが出来る。

P5Rは育成の自由度や出来ることが幅広く、またどんなペルソナでもやり込めば最強化する事ができるのはこの作品の魅力の一つだろう。そこでこの記事では僕が最終的に作り上げたペルソナを紹介する。一部物語の根幹に関わるネタバレ的なペルソナもいるがそこは了承してもらいたい。

 

f:id:Gameslifeisff:20210911180336j:image1体目は誰しもがやるであろう主人公の初期ペルソナの最強化、フツヌシから「剣神の念」を受け継いだ下位ペルソナを作り続ける事で最終的には初期のアルセーヌの特性を変えてしまうという主人公のペルソナなのに良いのか?と思えるような構成に

スキル構成は銃撃特化、特性を剣神の念にしたのも銃撃攻撃の威力を最大限高める為であり、「アドバイス」でクリティカル率を高めた状態で「ワンショットキル」を放てば運99の効果もあってほぼ高確率でクリティカルを出して1MOREに繋げる事が出来る。残りは回避に専念する為に「アリ・ダンス」と「大天使の加護」を入れた。銃撃特化はとある理由によって後述するサタナエルとどっちで構成するのか?とファンの間でも議論になりやすい。また弱点属性である氷結と祝福属性を埋め合わせるために「〇〇反射」を入れなかったのは仲間のかばうを発動させたかったからというのもある。残りの1枠は消費HPの節約のため「武道の心得」を入れた。


f:id:Gameslifeisff:20210911180401j:image2体目はDLCとして販売されているラウール。主人公のアルセーヌの最終進化ペルソナとなっているらしいのだがどういうわけだかP5R専用DLCとして発売されている事になっており、その点でもファンから批判されていたりする。

ラウールは敵全体に高確率で睡眠の状態異常を付与する「ファントムショー」が妨害技として超秀逸*7なので安全にバフ・デバフを付与するペルソナとして特化させることにした。特性を「鉄壁の抗体」にする事で状態異常をシャットアウト、「チャージ」と「コンセントレイト」で安全に技の威力を高めつつ、次のターンでペルソナチェンジをして威力の高い技を放つという算段だ。*8後述するマリアの3種の「マハ〇〇カオート」で先制強化をしつつ、ラウールにチェンジ&「ランダマイザ」でデバフを掛けるのも定石のパターンだ。

唯一祝福属性が弱点だったので「祝福反射」で即死技をカバー、アリ・ダンスも入れつつ、残り1枠は相当迷った。攻撃技を入れても良かったのだが、攻撃用のペルソナは既に揃えていた為、ラウールに攻撃してもらうのもどうかと思ったので攻撃技入れない事を徹底した。というわけで範囲が広くて役に立ちそうな「物理反射」と裏ボス対策用に「不屈の闘志」を入れた。

 

f:id:Gameslifeisff:20210911180333j:image3体目はサタナエル、1周目をグッドエンド(トゥルーエンド)でクリアをしたクリアデータを引き継いだ2周目から作る事が出来る隠しペルソナとなっており、DLC伊邪那岐大神&賦神を買わなかった場合の最強ペルソナになる。元の特性は「異端の魅力」という魔法スキルのダメージが50%上昇するという物理、銃撃を除いた全属性のハイブースタという感じなのだが、残念ながらこの特性は他のブースタ系の自動効果スキルと合わせてもブースタ率が100%を越える事が出来ない。つまり異端の魅力で50%、〇〇ハイブースタと組み合わせて100%、更に〇〇ブースタと合わせて125%とはならないのである。ここをもし越えられてさえいれば最強の特性になっていたことであろう。という訳でサタナエルの特性は火力アップ狙いで「一騎当千の眼差し」に変えた

ただサタナエルには唯一無二と言える「魔王の境地」という自動効果スキルがある。これは全ての攻撃ダメージが上昇するという一見すると他のブースタ系と何ら変わりのないスキルのようにも思えるが、何とこのスキルはブースタ系のダメージ蓄積パーセンテージとは別枠で加算されるのである。ここがサタナエルが最強と言わしめる頭一つ抜けているポイントで、今回のスキル構成では「万能ブースタ」で25%「万能ハイブースタ」で75%、公開処刑限定スキルの「魔導の才能」で更に25%加算して強化率100%、そこに「魔王の境地」で25%別枠で加えて125%のダメージ強化、そして一騎当千の眼差しの特性により更に20%追加で最終的に145%のダメージ増加になり、攻撃技は「メギドラオン」ひとつのみの徹底した万能特化の潔い構成、これでバフデバフ効果を付け、コンセントレイトで強化した状態でメギドラオンを放つと簡単に4ケタダメージを叩き出す事が出来るので無双できる。耐性も全属性「耐」なのでめちゃくちゃ強い。

ちなみにサタナエルは銃撃攻撃技を使う時にサタナエルのみの専用モーションがあるらしく、それがあまりにもカッコ良いから銃撃特化にするかどうか迷う人もいるみたいだ。僕は万能特化にスキルを振った為残念ながらその専用モーションは見れないのだが(笑)

残りのスキルはSP節約の為に「魔術の素養」状態異常対策に「瞬間回復」これもまた裏ボス対策として不屈の闘志を入れた

 

f:id:Gameslifeisff:20210911180349j:image4体目は物理技最強特化としてヨシツネを作った。「八艘飛び」はヨシツネ専用の最強物理攻撃となっており、小ダメージを×8回と一見弱そうに思えるが全然そんな事は無い。剛毅最強ペルソナのザオウゴンゲンから「究極不滅の怒髪天」という特性を引き継いだ事により物理ダメージは常に30%アップ、バフデバフを掛け、チャージをして八艘飛びを放てば平均700〜800ダメージを×8回で総合ダメージ5600〜6400ダメージと総合ダメージ量はとんでもない事になる。「アドバイス」効果によって運良くクリティカルが出れば更なるダメージが期待できる。超特大ダメージを与えられる「ゴッドハンド」や「ブレイブザッパー」も強い事は強いのだが、あちらが敵単体にしか効果を発揮できないのに加えて総合的なダメージは八艘飛びとどっこいどっこい、もしくはやや八艘飛びの方がダメージは上なので僕はやはり八艘飛びを選ぶ事にした。それに何より攻撃エフェクトがカッコイイしね!

あと反則級のスキルとして「勝利の雄たけび」を入れた。ヨシツネでバトル終了すれば常にHPとSPが全快になるので回復要らず、終盤の敵は物理攻撃に対して耐性や反射を持つ敵が多く出てくるようになるため、序盤〜終盤直前まで活躍し、終盤でも物理攻撃に耐性を持っていない敵だったら誰にでも猛威を振るう事が出来るまさに最強のペルソナだ。


f:id:Gameslifeisff:20210911180358j:image5体目はマリア、特性の「アヴェ・マリア」も魅力的ではあったものの、バフ&回復要員として運用する為に最強のバフサポート技の「テルモピュライ」をいつでも使えるようにする為にアティスから「松の生命力」という特性を受け継いだ。

更にマリアを先頭のペルソナとして装備する事でマハタルカ、マハラクカ、マハスクカの3種のオート効果を引き出す事により戦闘開始早々仲間全員にバフ効果、更に「聖母の抱擁」と「聖母の囁き」によって毎ターンHPとSPを回復する事が出来るのでなかなか死ににくい。ピンチになったら「メシアライザー」バフが切れたらテルモピュライ、支援効果はなんでもござれである。

ただし状態異常対策のスキルが入れられなかった為、搦め手には弱い。そこはアイテムで何とかするしかない。


f:id:Gameslifeisff:20210911180340j:image6体目はジャックフロスト、何故ジャックフロスト?と思ったそこのあなた、可愛いからです!!!それにATLASの代表的顔だしね*9(笑)

スキルとしては物理と銃撃を除いた8属性の弱点を突くために7属性の単体最強技(祝福属性を除く)を取り入れ、サタナエルから引き継いだ特性の異端の魅力と魔導の才能によって75%ダメージアップという構成にした。ちなみに何故「大炎上」や「大氷河期」といった全体最強技にしなかったのかと言うと単体で弱点を突く事によって1MOREとバトンタッチを狙う意図があったのと、複数の敵の中に属性反射の敵がいると反射で自滅してしまうという難点を回避する為に敢えて単体最強技に留める事とした。

あと何故祝福属性が「神の審判」ではなく、「コウガオン」にしたのかと言うと祝福、呪怨属性最強技の「〇〇の審判」は"敵の現在HPの2分の1のダメージを与える"というFFで言えばグラビガ的な癖の強い攻撃となっており、これ単体では敵を倒す事が出来ないという難点から泣く泣くこうするしかなかったのである。これが"現在HPの2分の1"じゃなくて"最大HPの2分の1のダメージ"とかだったら間違いなく最強の技だったんですけどね...まぁそれだとチート過ぎるというのもそうですが、如何せんボス敵には殆ど効かないのもまた使いにくさを象徴しておりまして、何故普通に祝福&呪怨属性にも最強の単体技&全体技を作らなかったんだ...祝福&呪怨属性には即死技もあって個性を発揮しているのだからこれ以上の癖の強い技は十分だと思ったのですが...(笑)

とまぁそんなことは置いときまして...次で最後です。


f:id:Gameslifeisff:20210911180352j:image最後の7体目はアリス、ジャックフロストでは埋められなかった呪怨属性特化&雑魚散らし要員として作り出したものです。全体高確率即死技の「死んでくれる?」は呪怨無効以上の敵でなければ殆どのザコ敵を即死させる事ができる超優秀技、特性の「はやくしんでよ」は即死スキルの消費SPを0にする事が出来るが、呪怨属性の技の威力を高める為に敢えて異端の魅力に変更、その代わりに勝利の雄たけびによる回復で消費SP0の効果をカバー、あとは「ムド成功率UP」で死んでくれる?の成功率を上げつつ祝福反射、アリ・ダンスといった構成に。

 

以上、ここまでが僕の作りあげた最強のペルソナの布陣である。ここまで揃えるのにはだいぶ時間を要したがスキル構成を考えるのも実際に作るのもかなり楽しかった。それもまた育成の自由度が高いが故の事なのだろう。

 

終わりに

本当は追加要素である三学期編の事も書こうと思ったのですが、夢中で書いてたらあまりにも長すぎてしまったのでネタバレ注意の別記事として書くことにしました。

ペルソナ5は仲間達との絆を描いた勧善懲悪ストーリーとしても面白かったし、またこのゲームを通じて感じた人間の愚かさや欲深き心という誰しもが当てはまる普遍的なテーマがとても心に刺さる内容になっていまして、本当に最高に面白かったです!

 

改めて言いますが僕はこのゲームを勧めてくれた友達2人に感謝の意を表します。

こんなにも面白いゲームと出会わせてくれて、最高のゲームを貸してくれて本当にありがとう。この3ヶ月半最高に楽しかった!

 

という訳で終わりです。

ここまで読んでくれてありがとうございました🙏

 

 

 

*1:後にPSPでリメイクされた「ペルソナ」では「女神異聞録」という名が消えているが、当時のATLUS内でのペルソナは真・女神転生の系譜が強く残ったメガテンの外伝的作品という位置付けにあったのだとか

*2:ペルソナ5は当時から、そして今も他社ゲーのゲストキャラ出演だったり、企業案件のコラボをやったりととにかくコラボに積極的である。

*3:この時は少年、少女のような声と表記されるだけで正式な名前は明かされない

*4:学校側としては鴨志田を告発、糾弾する事で生徒自身の身の安全を守る事よりも"セクハラ教師が就任している学校"という事実が判明する事で様々な風評被害やレッテルを貼られる事に対して恐れ、体裁や保身を取る事しか頭に無かった為、追求はされていないが学校側の罪も重いだろう

*5:リアルな現実世界でも最近はTwitter等のSNSの声を軽視出来なくなった節があり、SNSの声=完全な世間の声とまでは言えないが、世の中のスマホの定着と共にSNSを始める人が多くなってきた事である程度の世論というものが形成されるようになったのもまた事実であり、その辺のリアリティ感が凄まじいと個人的には感じられた

*6:事件を未然に防いでくれない警察や世論の感情とは違う判決を下す検察や裁判に対する不満があるという意味でも怪盗団の存在がはやし立てられるのは必然であり、そしてそういう点でも妙にリアルである。

*7:はっきり言って他の妨害技が要らなくなるレベルで強い、マジで強い

*8:傲慢の指輪と強欲の指輪で仲間から強化してもらってから技を放つから要らないとか言っちゃいけない

*9:耐性が多いという意味ではジャアクフロストにしても良かったのだがやはりどうしてもジャックフロストの魅力には勝てなかった

鳩の小噺4「コロナが与えた身の回りの影響について」

 

去年の1月に新型コロナウイルスが中国の武漢を発端として日本にも広まり始めてから早1年と8ヶ月...突如としてこの世に現れた未知のウイルスは感染すると倦怠感、発熱、肺炎といった様々な症状を引き起こさせ、治ったとしても後遺症がその後の生活をする上での苦痛を与え、最悪の場合は死に至らしめるという事実が世界中の人類を恐怖で支配した。

またこのウイルスには有効な治療薬が現時点では存在しない、感染の重症化を防ぐワクチンもまた最近開発されたばかりで、接種ペースは各国でまちまち、日本でもじわじわとワクチンを接種する人が増えているのを身近に実感している。ただ例えワクチンを接種したとしても感染を完全に防ぐ事ができる魔法の薬ではないので、そもそも感染しないような予防行動に務めていくのが必要不可欠、故に「不要不急の外出は控えて」という政府からのお達しを守る為に今まで当たり前のようにできていた生活をする上でのあれこれが制限されるようになった。

コロナの感染拡大の最大の要因は「人と人との交流や接触の機会がある事」コロナウイルスの感染原因の主たるものが飛沫感染接触感染によるものなので、人との交流はその間接的な原因にもなり得る。マスクを付けていない状態でのちょっとした会話ひとつで感染...という事は誰しもがそうなる可能性があって有り得る。だからこその不要不急の外出制限なのだろうが、思えばこの制限によって自分も結構なお出かけ制限を食らってきた。

元々僕は昔からゲーム好きという事もあって休みの日にさぁ出かけよう!というほどアクティブな方ではなかったのだが、趣味の延長線上にあるイベントへのお出かけはしたいと思っていたりもした。それの最たるものが今年の2月に開催される予定だったFF7リメイクのオーケストラコンサートツアーの東京公演だった。あの当時は引っ越したばかりで色々と物が入り用だったのもあり、結局行けるかどうかも分からない状態だったが、オーケストラを楽しみに東京へ行きたいという事を周りの人に話したら案の定東京へ行く事の反対はされた。その反対を受けたあの時の自分の気持ちとしては「そりゃそうだろうな...」と思った。何せ東京はコロナウイルスが最も感染拡大している都市であり、感染する可能性が最も高い場所であるが故にそこへ不用意に行く事は許されないと言われるのも想定済みだった。

今でもそうなのだが地方民の人達は皆「東京怖い東京怖い」としきりに言っており、自分の周りでも東京怖いとか東京ヤバいよねって言葉は何度か聞いていた。世界的に有名で世界中から人が集まってくる都市であるが故にその人口過密度の高さがコロナの感染拡大に大きな悪影響を与えているという認識が日本全国の人達の頭に根付いており、意図した悪意は無いにしろ、無自覚な東京差別というものが形作られてしまった結果、東京行きへの反対というものがあったのではないかと思う。*1

FF7リメイクのオーケストラは結果的に東京公演の開催は中止、抽選販売で当たったチケット代は返金され、代わりにオンラインでの開催という形で着地する事になった。あの時の中止を受けた僕は残念だなと思う気持ちが2割、不用意にコンサートに行く事でコロナ感染する可能性が無くなったからホッとしたという安心感が8割あった。何より万が一コンサートに行った事が原因でコロナに感染してしまい、周りに迷惑を掛ける事になってしまった時にから受けるであろう冷ややかな目線や非難の事を考えた時行かなくてよかったな...という気持ちが自分の中で勝っていた。

コロナに感染する事の恐怖感によって人は自分自身の行動だけでなく周りの人の取る行動にまで目を向けるようになった。テレビのニュースを見ればマスクを付けずに街を歩く人や、不要不急な理由で外を出歩く人がセンセーショナルに取り上げられており、その報道によって世間は不要不急の外出をする人に対して厳しい目を向けるようになった。コロナを軽視してる人からすれば「自己責任で行けば問題ない」と思っていたとしてもコロナは自分自身だけでなく、周りに対しても影響がある。自分の中で感染防止を意識した行動を取っていたとしても周りの取った行動によって感染してしまうことがある。結局は"自分が感染したくないという自己都合な思い"が主たるものとしてあるのだろうが、同じコロナの感染でもその感染に至った経緯によっては感染者自身に対する責任を追求し、糾弾するというカオスな様相となってしまっており、そういう意味でも不要不急の外出をする事にはより一層の肩身の狭さを感じる部分がある。正直な話、僕がFF7リメイクのオケコンに当選した時も当初は喜びが半分あると同時に「良いのかな...行っても...」という疑問や不安の気持ちが半分芽生えていた。最終的には「自分の大好きなコンテンツであったとしてもやはり行くべきではない」という結論を出して気持ちに自己完結をし、結果的に東京公演は公演中止になり、チケット代は無駄にならずに済んだ。*2

 

それからというもの、僕は不要不急の外出は控えるように徹底した。今では仕事と病院への通院以外では全く外に出なくなった。コロナが流行る前だったらずっと家にいる事に対して「引きこもってどーすんの!」と言われたかもしれないが、コロナの感染リスクをゼロにするという名目上の理由がある事によって堂々とインドアを楽しめる状況になったのは良い事だと思う。ただそんな自分でもやはり行楽の為にお出かけをしたいという思いが芽生えない訳ではなく、時々「あぁ...秩父行きてえなぁ...」なんて事を不意に思ったりする事もしばしば

僕が住んでいるグループホームではコロナが流行る前は月に一度、同居人と職員、もしくは世話人の人と一緒に外出によるお出かけを楽しんでいたらしい。川釣りに行ったり、動物園に行って触れ合いを楽しんできたりとちょっとした日帰り旅行みたいなもので、その形態は様々、ただコロナが流行り始めて以降はそういったお出かけは一切出来なくなり、代わりに月に一度のデリバリーメニューを食べて楽しむというものに切り替わったが、それでも僕の同居人は「お出かけしたいよな...」と外出に対する欲求と今の現状に対して不満を持っている事を時々聞かされたりする。

これはある意味、外に出たい...お出かけをして楽しみたいとする自分自身に対する欲を如何に抑えられるかという試練みたいなものになっており、一人一人の理性とモラルが問われる事になる。それが出来ているのか?出来てないのか?結果は毎日の陽性者の発表数となって現れる。自分や周りがコロナに感染していない状況だったりすると、どこか他人事の様に感じてしまい、油断と気の緩みが出てきたりするがそれでも僕は決して気を弛めてはいけないと強く思っている。

大袈裟に感じるかもしれないが、僕はコロナの事を「死に至る可能性を孕んでいる病気」だと認識している。感染したら全てが終わりと言う程ではないが、少なくとも感染をすることによって重症化や死亡リスクが発生する事もまた事実、気を張りすぎると疲れたりするが、それでも自分自身の為に、そして周りへの配慮の事も考慮して僕はこれからも感染予防対策を徹底し、好きなゲームでもして楽しもうと考えている。

 

コロナが周りに与えた影響といえば最近、職場関係では8月に入って以降自粛休みを取る人が増えた。これは政府が緊急事態宣言を出す度に起きていた事なのだが、感染リスクを減らすための対策としてそういう自粛行動を取る選択をした人が一定数いるという事だ。

ただこの自粛休みは自らの意思で取ったとしても会社から自粛休みによる保証金などは出ない。つまり休んだら休んだ分だけ来月に受け取れる給料は減り、生活が厳しくなる。ここで働いている人は全員時給制であるが故に休みによるリスクの軽減を取るか金を取るかというシビアな選択になっている。まぁ何せ自己都合による自粛休みな訳なのだから残った人に対する負担増の事も考えたら保証金が出ないのは当然なのかな?とも思うが色々と歯がゆい部分も多い

 

僕は生活が掛かってるので休む訳にはいかない、徹底的な対策をとった上で粛々と仕事を続けるだけである。モチベとなっているゲームを楽しむためにも。

コロナによって時代は大きなうねりとなって変化した。今まで出来ていたこと、当たり前だと思ってやっていた行動が急に出来なくなり、形を変えざるを得ない事にもなった。そこから生まれる歪みや思想の違いによってため息の出る事も多く増えた。

正直、このコロナがいつ終息するのかももう分からなくなってきた。ワクチンさえ接種出来ればそこでおしまいだと思ってる人も一定数いるかもしれないが、自分はワクチンを接種する事=ゴールだとは思っていない。寧ろワクチンを接種しても完全にコロナに対する不安を払拭できるものではないと認識している。

毎年冬の時期になるとインフルエンザが流行する事になってこの時だけマスクをしたり感染予防対策を意識するようになっていた世間だが、コロナは一年中続くインフルエンザだと思っている僕は常に自分が感染しないように対策を怠ってはいけないと思って気を張っている。それは多くの我慢を伴うものだからそれに耐えられない人が出てくるのも致し方がない事だと思っている。ただその我慢を打ち破って突破した事によって自分が一生後悔する程の出来事が起きてしまったら...という事を考えた時、僕はやはり気を抜く事は出来ないし、少なくとも感染せずに毎日を過ごせている今の現状をとても幸せに感じていたりもする。

 

「なんでもないような事が幸せだったりもする」と言うのはまさにこの事なのであり、虎舞竜は凄い名言を歌ったものだな...としみじみに感じるばかりである(笑)

 

皆さんもこれから先、どうか感染しないで今を過ごす事ができる事を祈っています。

ありふれた日常から感じられる幸せを少しでも享受できる事を願っています。

 

これからも良い日常を

 

 

 

*1:結局の所、人口密度の多さが感染拡大に悪影響を及ぼすというのは何も東京だけに限った話ではないのであり、埼玉でも浦和や大宮といった有名都市があるさいたま市でも感染拡大はしており、感染者が1000人を超えた現在の埼玉でも感染拡大の中心地にあるのはさいたま市だということが分かっている。

*2:ただ、4月に開催した大阪公演は中止にならず、感染防止策を徹底するということでそのまま開催される事になった。大阪と東京とでは感染拡大の規模が違うとはいえ、全国でもかなりの都市であるはずの大阪では普通に開催された事に対して東京公演を楽しみにしていた自分としては何故?という疑問の気持ちが湧いてしまった事は否めない

【ご報告】24歳になりました

 

こんにちは、ニホンバトです。

私事ではありますが、私ニホンバトは令和3年7月14日の本日をもって24歳になりました。

 

朝からたくさんのお祝いリプとDMとLINEを頂きまして、僕の誕生日という個人的な出来事に対して今年もおめでとうと言ってくれる人がいる事に、その存在が本当にありがたいなぁ...嬉しいなぁ...という気持ちでいっぱいになり、幸せなひとときを味わっています。

今日という日を迎えるまでの1年を振り返ってみましたが、やはり大波乱のあったあの期間の出来事が忘れられません。今でも脳裏に焼き付いて、時折思い出す事もあります。ですが今日この場で振り返ってその事を書くのはやめます。せっかくのお祝いの日なのにあんな悪夢の様な出来事を思い出したってただ暗くなるだけですからね。

ただあの当時の僕がもしも家を出なかったらどうなってたんだろう?と想像する事はあります。断定は出来ませんが決して良い方向に転がる事はなかっただろうな...とも思ってます。

何故なら家を出る事で得られた小さな幸せを得る事が無かったからです。

1月にふかふかのセミダブルベッドを買って夢心地な気分に浸れる毎日も得られなかったし

2月のFF7RINTの特報を見て夏を迎えるまでの生き甲斐を得られる事もなかった。

3月にノジマでPS5抽選販売の当選の奇跡を引き当てて4KテレビとPS5が揃う夢の瞬間にテンションが上がる事もなかったし

4月に念願だったFF15をこの手でプレイ出来る幸せを味わう事もなかった。

5月には久し振りに友達と再会する事が出来た上にペルソナ5Rを借りてプレイ出来る幸せを受け取る事もないし

6月に念願のFF7RINTをプレイして次世代を体感した瞬間を感じる事もなかったし

こうして今、みんなからおめでとうと祝ってもらえる日を無事に迎える事ができたなんて事は決して無かったでしょう。

それらも全て僕がこの家を出ると決意して実行した事で自らが掴んだ幸せなのであり、それを享受できる事の日々が幸せなのだと...もの凄く実感しています。

この先でも僕は仕事に明け暮れる毎日に対して疲れたぁ...なんて言いながら美味しいご飯を食べて、暖かいお風呂に入って、柔らかいベッドでぐっすり眠って朝を迎える、当たり前のようで幸せなそんな日々を過ごして生きながら自分の好きを満たして生きていきたいです。積みゲーを積みながら面白いゲームをプレイして、大好きな漫画作品を読み耽って、好きな音楽を聴いてテンション上げて...もし目標を立てるとしたらゲーマーとして色んなゲームに触れて面白いと思う作品を見つけてみんなと幸せなひとときを共有したいですね(笑)

 

皆さんのおかげで今日があります、今があります。

これからも僕は色んな人に感謝をしながら日々を生きていきます。

なので皆さん、これからもどうかよろしくお願いいたします。そして今日の日のお祝い本当にどうもありがとうございました!!!

 

【令和3年7月14日 ニホンバト】

FF7リメイクインターグレード感想記事 リメイク2に向けた布石を与えた完全進化作

 

これを読む前に諸注意を

この記事はファイナルファンタジー7リメイクインターグレード(以下FF7RINT)の追加DLC「Episode INTERmission」の物語の核心に触れるネタバレも含まれた記事となっています。FF7RINTのサイドストーリーDLCをまだプレイしていない方、ネタバレに触れたくないという方は実際にプレイした時の感動や面白さを半減しかねないため、この記事を読まずにバックする事を強くオススメします。

 

逆にネタバレを踏んでも気にしない、大丈夫と言う方、既にFF7RINTのDLCはクリア済みという方は以下から始まる記事をお読みいただいて大丈夫です。

 

それではどうぞ

 

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クリア報告

6月10日にPS5で発売されたFF7RINT、PS4版からPS5版にハードが移った事で表現出来た4K解像度での新たなテクスチャ風景やライティングの強化、フォグエフェクトの追加等、表現における様々な進化をした上にフレームレート60fpsの実現や、爆速ロード時間等のPS5だからこそ出来た事も含めてFF7RINTはPS4版から大きな進化を果たすことが出来た。その事については過去の記事でも楽しみな要素として詳しく書いているので未読の人には是非読んでもらいたいです。↓

https://majihato.hatenadiary.com/entry/2021/03/04/FINAL_FANTASY_VII_REMAKE_INTERGRADE%E3%81%8C%E5%87%BA%E3%82%8B%E5%96%9C%E3%81%B3%E3%82%92%E7%99%BA%E4%BF%A1%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%84%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%AE%E8%A9%B1

 

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f:id:Gameslifeisff:20210711102627j:imageちなみに僕はPS4版を所持していたので100円によるアップグレードとユフィのDLC購入だけで安くゲームを手に入れる事も可能だったものの、敢えてパッケージ購入によるフルプライスで買う選択をした。理由はWiFi通信環境の貧弱さによる本編ダウンロード購入の難しさと実物を手に取ってみたかったからという理由でスクエニe-storeで購入をした。こうして並べてみるとPS4の象徴であるとPS5の象徴である白の対比が面白く、白の方がスタイリッシュで美しい感じが見受けられた。何気にこれが人生で初めて購入したPS5ソフトという事にもなる。

 

そんなこんなでFF7RINTのDLCインターミッションは全てクリアしました。今回は残念ながら初回クリア時のクリアデータをスクショすることが出来なかったものの、発売から1ヶ月も経たないうちにハードモードの攻略やスキルアップブック集めなどを経てユフィとソノン、2人のレベルはMAX50、武器成長も最大まで進化させました。

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f:id:Gameslifeisff:20210711100948j:imageプレイログ記録も全てコンプリート、残念だったのはPS4版では全てのログをコンプリートすると王冠が着いていたのにFF7RINTでは王冠が付かなくなった事に寂しさを覚えたぐらい

概要を言うとこの物語はクラウド達が対 神羅を相手にミッドガル内で戦っている最中、神羅への復讐の意味も含めて究極マテリアを求めたユフィがミッドガルにやって来ていたという物語。本編中クラウド達がユフィと会う事は一切無かったが、それはニアミスをしていたからという理由で本編とは切り離された独自性のある物語となっている。

 

DLCで描かれるユフィの可愛さとソノンの心強さ

ユフィはオリジナル版FF7ではミッドガル脱出後のフィールドで現れるウータイ出身のシノビ、それと同時にマテリアハンターでもあるユフィはまだ見ぬマテリアを求めて世界方々を流浪しながら旅をしている。そんな中でクラウド達とはバトルで倒された後に会話の流れによって仲間にする事が出来る隠しキャラクターとして存在している。そんなユフィが今後のリメイクでクラウド達とどういう形で出会っていくのかが楽しみだが、その前にユフィは既にミッドガルの地に降り立っていた...最初は驚きだったが、オリジナル版でもミッドガルから1番近い森でユフィとエンカウントする事も出来る事からユフィがミッドガルに潜入していたとしてもおかしくは無いという事で直ぐに状況を飲み込むことが出来た。

f:id:Gameslifeisff:20210711110603j:imageユフィはまだ16歳という現実の世界で考えれば高校一年生の女子高生であり、故に言動が幼く子供っぽい一面も多々見受けられる。しかし逆に言えばそれ程までに純粋無垢という事でもあり、また故郷のウータイが神羅との戦争をしていたという因果の事もあってシノビとしての戦闘技術や故郷を思う心持ちの強さもあり、16歳とは思えぬ程肝の座った少女でもある。

プライドが高いのかバカにされる事を嫌っていて、すぐにムキになるし、おだてて褒められると逆にデレデレする、そういう面を見るとやはりまだ子供だなと思うと同時にそこがまた大人な側面を持つティファやエアリスとは違う可愛さを持っており、好きなヒロインはユフィ派という人は歓喜するシーンばかりである(笑)

そんなユフィは戦闘の面においてはユフィ1人しか操作できないという事もあってか万能型の戦闘スタイルを持っている。手裏剣による近距離から遠距離への攻撃にも長けている上に、物理が効かなければ忍術による魔法攻撃もできる。しかも忍術はアビリティの「忍術変化」によって4属性に対応しており、ユフィに攻撃魔法マテリアは要らない程めちゃくちゃ強い。f:id:Gameslifeisff:20210711112311j:image
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f:id:Gameslifeisff:20210711112316j:image炎、冷気、雷、風と4属性の忍術変化によってどんな敵にも応対できるユフィの万能さ加減は半端ないものがある。オマケに発動後の技の威力が上昇する攻撃技の「風林火山」や通常は敵の引き寄せ、手裏剣を投げた後に発動すると高威力の「つむじかぜ」によるアビリティ攻撃も強力

オマケにユフィは敵の攻撃が当たる直前にガードをするとジャストガードが発生して全ての攻撃を無効化できるDLCストーリーはユフィ1人しか操作できない事に対する救済措置とも取れるこの要素、使いこなせば無傷で勝てるほどとても便利なものだが、強過ぎるが故に続編のリメイクで正式に仲間になる際にはアクセサリー「神々の黄昏」*1と共に封印されてそうなゲームシステムの1つでもある。またユフィ自身が1人でも十分に戦えるほど強過ぎるのでやはり正式加入時には弱体化されてそうな気がする。

 

一方、ユフィの相棒となるソノン・クサカベはユフィと同じウータイ出身のシノビ、ユフィの父ゴドーによる師事を受けており、棍による棒術に長けた力溢れるキャラとなっているf:id:Gameslifeisff:20210711113805j:image
f:id:Gameslifeisff:20210711113809j:image温和で冷静沈着、頭が回らないユフィのサポート役にも徹しており、年上ながらもユフィの事を先輩と慕うナイスガイ、時にはユフィの猪突猛進さに呆れることもあるがユフィの事を最後まで支えようとするその気概の持ちようは素晴らしいものがある。しかし実は彼、実の妹のメルフィを神羅の作る兵器によって殺された事からユフィ以上に神羅に対する復讐心を燃やしており、ユフィの事を最後まで献身的に支える最大の理由が「ユフィの姿と立ち振る舞い方がメルフィにそっくりだから」という単純ながらも意外な理由としてストーリーをやっていくうちにそれが判明する。

そんなソノンはバトル面に於いては徹底的にユフィをサポートする点と連携力の強さが如実に現れている。戦闘中にL2ボタンを押すとソノンとの連携モードに入る事が出来、連携による通常攻撃はHEATゲージが溜まりやすくなっている。更にユフィとソノン双方のATBゲージを1本消費して発動する「連携・風林火山」や「連携・つむじかぜ」は高威力orBURST時のダメージ倍率増加ととても強力

連携・風林火山

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f:id:Gameslifeisff:20210711120223j:image連携・つむじかぜ
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f:id:Gameslifeisff:20210711120241j:image更にソノンはユフィが戦闘不能になると「転生の術」を使って自らの命と引替えに自動的にユフィにアレイズの効果を掛ける。オリジナル版で言う所のファイナルアタックを持っている事になる。転生の術は復活したユフィがソノンを復活させれば再び発動するのでソノンが生きている限りはユフィが死んでゲームオーバーになることは無い。徹底的なまでのサポート力の強さがこういう形で現れるというのはかなり斬新でプレイしててもとても楽しい戦闘になっていた。

 

物語は全2チャプター構成となっていて、チャプター1がコンドルフォートやかめ道楽と言った寄り道要素を楽しみつつ神羅ビルに潜入するための準備を整える章、チャプター2が神羅ビルの中で暗躍する闇に立ち向かうシリアスな章となっており、チャプター数だけで考えれば短いものの、その内容は濃密な程のボリュームがあって十分に楽しめた。

これからその一つ一つを解説して行けたらと思う

 

懐かしさと新しい要素を盛り込んだクラウドが居ない七番街スラム

チャプター1のメイン舞台は七番街スラムと言っても良いだろう。ユフィの目的は究極マテリアの奪取、その為ミッドガルを拠点として活動するアバランチとの協力をするのがストーリーとなっている。しかしユフィと協力するのはバレット達が活動する分派のアバランチではなく、平和的活動によって神羅からミッドガルを取り戻そうと活動する本家アバランチであり、そこで登場した新顔のジージェ、ポルコ、ビリー・ボー、ナヨと個性的なメンバーによって構成されている。メインのストーリーとしては神羅ビルに潜入するための偽造IDを取得するのが目的となっているが、それよりも充実しているのは数々の寄り道要素だろう。主たるものはこの3つ

  • コンドルフォート
  • かめ道楽のチラシ探し
  • ラムウとのバトルシミュレーション

コンドルフォートはオリジナル版ではコンドルフォートという同名の地名があり、そこに住まう住民がコンドルの卵を狙って襲ってくる神羅兵達からコンドルを守る為に防衛戦を広げるという設定的にも重く、多額のギルも掛かるミニゲームとなっているのだが、リメイクではミッドガル市民の間で流行っているボードゲームとなっているらしく、ユフィはマテリアを巡ってコンドルチャンプと戦う為にコンドルフォートに勤しむという事になっている。

f:id:Gameslifeisff:20210711125656j:image内容としてはほぼタワーディフェンスとなっている。手持ちのボードを設定してATBコストに見合ったユニットを選ぶ、両陣営共にメインベースとサブベースを持っており、メインベースを撃破するか、制限時間が終了した時にメインとサブ合わせたコンドルの数が相手より多かったら勝ちというルールになっている。
f:id:Gameslifeisff:20210711125652j:image↑メインコンドルとサブコンドル
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f:id:Gameslifeisff:20210711125646j:imageこのゲーム結構奥が深い作りになっていてとても良く楽しめた。ユニット相性はアタッカーディフェンダーシューターの三すくみに分かれており、相手が出そうとしているユニットに合わせてこちらもユニットを変えるのだが、単純にコストの高いユニットだけをバンバン配置すれば良いのか?と言われれば決してそうではなく、ボード毎に決まったATBゲージコストの溜まり具合速度やボード毎に決まっている魔法をチェックしたり、低コストと高コストのユニットをどう組みあわせて戦術を練るのかが勝利の鍵となっており、時には強引に押し進めて攻める事も大事、戦略を練らないと勝てないのは上位のプレイヤーと戦う度にはっきりとそれを感じられるようになっていてとても頭を悩ませた。

ちなみにこのコンドルフォート、プレイヤーは何とFF7R本編で登場した懐かしキャラばかりとなっており、神羅課長、ジョニー、キリエ・カナン、果てはローチェまで出てくるという豪華仕様(笑)

f:id:Gameslifeisff:20210711130959j:imageどうやら行方不明になったマイフレンドを探してオフでここに来たらしいがそのうるささは相変わらずである(笑)

最後の最後までプレイしたのだが特に最後に挑むコンドルチャンプは本当に鬼畜なほど難しく、何度も打ち負かされた。ユニットを配置する位置やタイミングが完璧であり、ノーマルでもハードでもゴリ押しで勝ったようなものである。

 

かめ道楽はオリジナル版ではウータイに本店を構える居酒屋となっており、世界各地に散らばるかめ道楽のポスターを6枚見つけると豪華景品をプレゼントというものになっているのだが、FF7RINTではスラム中に貼られているチラシを見つける事で豪華景品が貰えるものになっている。そこにはかめおじさんという人物がおり、日夜かめ道楽の宣伝をしているらしいのだが、そのかめおじさんのお姿がこれ

f:id:Gameslifeisff:20210711132118j:imageなかなかに強烈な姿となっているのではないだろうか?(笑)甲羅を背負って前掛けを着ながらプラカードを持って歌い踊る姿は確かによく目立ち、印象に残る(笑)
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f:id:Gameslifeisff:20210711132113j:imageここでやるチラシ集めはウータイの事を良く思わないスラム市民によって隠されてしまった事を理由に発生するのだが、その一つ一つが妙に凝っており、チラシのクオリティもさることながらそのチラシが近くなると、かめ道楽に関する様々な歌が流れている。
f:id:Gameslifeisff:20210711132129j:imageいかにも軽快な飲み屋という印象が強いかめ道楽のチラシ、他にも様々なバージョンがある

ポップからハードロック、テクノ的な歌まであり、FF7RINTのサントラではディスク3の半分以上がかめ道楽の歌になっているほど充実しており、真面目にふざけたかめ道楽の要素を見るとFF7Rスタッフにとってかめ道楽は開発中の癒し的な要素になってたんだろうなぁというのが伺い知れる(笑)

しかもこのかめ道楽のチラシ...チラシを見つけるとDualSenseのスピーカーから「かめファンファーレ」が流れるという無駄に豪華な演出となっている(笑)

 

DLCストーリーでは満を持して雷帝ラムウと戦って召喚獣として仲間にする事が出来る。本編ではチョコボモーグリ、イフリート、シヴァと序盤でお世話になる召喚獣まで出てきていたにも関わらずラムウが不在だった事で何故だ...!となっていたのだが、まさかこういう形でラムウが出てくるとは思いもしなかった。しかもそのお姿はFF15の時と同じく威厳を保った最高にシビれるお爺ちゃんとなっており、召喚獣としても普通に強力、初見で戦う時はかなり強かったがソノンとの連携もして初めて勝てる最初の壁でもあるだろう。

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f:id:Gameslifeisff:20210711134405j:imageラムウの周辺を攻撃するシャインスパークはとても強力

 

先述した通り、チャプター1は神羅ビルに潜入するための準備を整えるために動く章となっているのだが、そこではクラウドが帰ってこない事を心配するジェシーたちが登場したり、バレットが気にも留めなかったコルネオの存在が気になったティファが独自に動きだした事を示唆していたりと何気にクラウドが伍番街スラムでエアリスと同行している間の出来事が同時進行で発生している。

特にティファがコルネオと接触するために裏で動いた事はサイドストーリーチャプターとして実現したかったけどボツになったとスタッフがマテリアルアルティマニアで語っていた事で、それがユフィのサイドストーリーとして多少なりとも実現したのは溜飲が下がるものがあった事だろう。この章ではそんなユフィとソノンが協力しながら神羅打倒を目指す軽快なストーリーとなっている。

 

コンピレーション作品との繋がりがより強調されたヴァイスとネロの存在

チャプター2は偽造IDを調達できた事によっていよいよユフィとソノンが神羅ビルに潜入する話になっているのだが、ここはかなりのシリアスな章となっており、神羅の魔の手が襲ってくると同時に神羅の闇を描いた章ともなっている。

ユフィ達が潜入するのは神羅ビルの地下にあるマテリア製造フロアに入るのだが、その更に地下奥深くには何とダージュオブケロベロスFF7(以下DCFF7)に登場したディープグラウンド*2が存在するのだ。

神羅の兵器を管理するスカーレットがユフィ達を撃退する為の兵器として封印されていたネロを解放したシーンによってディープグラウンドの存在とヴァイスとネロがFF7R本編当時はまだ神羅の管理下に置かれていたというのが判明した。

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f:id:Gameslifeisff:20210711143056j:image封印からの解放によって久しぶりに邂逅するヴァイスとネロ

FF7リメイクは本編当時からかつてのコンピレーション作品との繋がりや一体化を示唆するシーンが描写されていた。ディープグラウンドはミッドガルの地下深くにしか存在せず、クラウド達がヴァイスとネロに接触する機会は無いと思っていたのだがまさかこういう形でこの2人がガッツリ登場するとは思いもしなかった。ユフィはDCFF7でヴィンセントと共に登場して活躍していた事からユフィを主人公としたこのDLCを出すとなった時にこの2人の存在の話が出てきたのだろう。ファンにとってはまさに感涙ものの2人である。

神羅ビルの地下を進むチャプター2ではスカーレットが管理している兵器が多く現れるという事でバトルが続く章にもなっている。ユフィ達の目的だった究極マテリアは開発中であるという事で存在がせず、7番プレートを落とすという神羅の計画を聞かされ脱出を図ろうとするが最後に立ちはだかるネロと戦わねばならなくなるというストーリーとなっている。

f:id:Gameslifeisff:20210711143051j:image道中には神羅バトルシミュレーターの最高難易度で戦うプラウドクラッド零号機が管理されている。


f:id:Gameslifeisff:20210711143042j:imageサイドストーリー最後のボスとなっているネロは「漆黒の闇ネロ」という名を持つツヴィエートの1人、自身が発する闇によってDGソルジャーや研究員達を狂乱させる姿は恐ろしいものがある。しかし正直な事を言うとネロは弱かった。攻撃動作がパターン化されており、回避も容易にできるので隙が生まれ、攻めることができる。最後のボスだけに体力は無駄に高いがここまで来たユフィとソノンが強過ぎたのか上手く立ち回ればピンチになる場面がほとんど無い。寧ろ道中のDGソルジャーとの戦いが油断をすると危ないほど強いので、ネロの弱さは例えリメイクになったとしても健在だった。

逆に強かったのはヴァイスの方で、ヴァイスについては後述するが神羅バトルシミュレーターで戦った時のヴァイスは1対3という断然不利な状況であるにも関わらず、何度も打ち負かされる程に強かった...

そんな訳でネロに打ち勝ったユフィ達は神羅ビル脱出をするのだが.....エンディングの冒頭でユフィが膝をつき、大泣きしたあのシーンの意味を知ったあの時、とても切ない気持ちにさせられた。ユフィはその後どんな思いで旅を続けていたのだろうかと思うと胸に来るものがある。

 

FF7Rのエンディングの先を少しだけ描いたエンディング

ここからは重大なネタバレになるが、サイドストーリーのエンディングではミッドガルを脱出したクラウド達のその後が少しだけ描かれている。ミッドガルから一番近い街のカームに向かう事は一緒だったがオリジナル版では全員でぞろぞろ行くと目立つという理由から別行動をしていたメンバーたちが全員揃って歩いている。バレットがリーダーを名乗るのはオリジナル版と相変わらずだが、オリジナル版ではワールドマップとなっていたミッドガルの外の世界の規模があまりにも広大だった。それこそFF15の時みたいに車がないとキツくないか!?と思うレベルの広大さで、ムービーだからとはいえ、続編でこのフィールドマップというものがどうなってしまうのか逆にワクワクさせられて仕方がなかった。

クラウド達は丸一日かけて歩いてカームまで向かおうとしたが当然そんな事ができる訳もなく、ヒッチハイクをする事になるのだが(そこでヒッチハイクのポージングの練習をするティファとエアリスが可愛かった)そこに現れたのは何とチョコボファームを運営しているグリン!ミッドガルからの帰りだったのかは分からないが何とかカームまで送り届けて貰えたクラウド達のシーンは色々と面白かった、主にバレットが(笑)

こうしてミッドガルの外の世界の人達が出てくるという意味でも続編がどういうストーリー展開になるのかが本当に楽しみで仕方がなかった。

一方...物語が進んでいたのはどうやらクラウド達だけではないらしく、クラウド達が運命の番人を倒した事で死の運命を免れたザックスにも物語の変化が訪れていた...

その最後はかなりの匂わせであり、続編のリメイク2に向けた布石であるだろうということがとてもよく分かった。そもそもこのFF7リメイクという作品自体がオリジナル版の流れを汲むものではない方向性を示しているので、続編が一体どんな物語になるのかが予測不可能であり、ミッドガルを抜けた後の壮大な物語をついつい期待してしまう。そんな期待感を抱く事が出来るとても良いDLCストーリーだった

 

ヴァイスが本当に強い理由

ヴァイスはDLCストーリークリア後に本編の神羅バトルシミュレーターで戦う事が出来る仮想空間上の存在、本物はディープグラウンドの奥深くに幽閉されているので戦う事が出来ず、データとして仮想空間上に現れたものなのだが、それでもその強さは無類の強さを誇っており、FF7R本編の全ての要素をクリアしたと豪語する人の心をへし折る程にヴァイスは強かった。
f:id:Gameslifeisff:20210711143047j:image初回クリアまでの間だけ流れるヴァイスの登場シーンは正直めちゃくちゃカッコイイ

ヴァイスが強い理由はとても強力な攻撃アビリティを持っている事、特に最初に戦う時の二刀流モードではガード不可技を連発してくるのでうまく回避する技術を身につけなければならない。十字斬、水平斬はまだ避けやすい方で一番回避しにくいのは刺殺、他二つがギリギリまで引き付けて横か後ろに避ければ回避できるのに対して刺殺は当たる直前にヴァイスの方向に回避ボタンを押すことでヴァイスを飛び越えるという特殊な避け方をせねばならず、しかもそのタイミングがかなりシビア、相当練習しないと連撃の餌食になるだろう。

最も強力なのが「帝王の剣」で発動すると回避不可、対策をしなければパーティ全員にほぼ確実に9999のダメージを与えるというバハムートのメガフレアよろしくのレベルかそれ以上の強さを誇っているとても凶悪な攻撃となっており、攻略サイトなどではこの帝王の剣を出される前にBURST状態にして勝つという短期決戦法が推奨されるほど強くなっている。

他にもヴァイスは他のツヴィエートが得意としていた武器に持ち替えてモードチェンジする事があり、蒼きアスールをイメージした銃モード、朱のロッソをイメージした薙刀モードにモードチェンジする、この2つのモードもかなり厄介、銃モードでは物理攻撃は一切無効、BADステータスを与える技を持つ、HEATゲージを減少させる技を使う。薙刀モードでは魔法攻撃は一切無効、神速の速さでガード不可技で攻撃してくる&技を食らうとヴァイスのHPが回復する、バレットの銃攻撃を弾くと言った厄介な体質を持っており、いずれにせよどのモードでもクラウド達の脅威になる事は容易に想像できるだろう。

特に僕の場合、守りを固めることに力を入れ過ぎた為に魔法攻撃アビリティを持ち合わせていなかった。そのせいで銃モードでは一切こちらから攻撃する事が出来ず、帝王の剣がやってくる2回目の二刀流モードが来るのをただ黙って待つしか無かった。今となっては間違った攻略法だったが、それでも時間を掛けて何とかヴァイスに勝つ事ができ、その初勝利に思わず雄叫びを上げた。

ヴァイスに初勝利をした時の映像では背後に宝条のホログラムが映っていた、これは後のDCFF7でヴァイスが自我をデータ上の宝条に乗っ取られる事を知っているファンに対するファンサービスであり、この時点でもしかしたら宝条は自分が万が一死んだ時の事に備えていたのかもしれない。

 

PS5になった事で進化した要素の色々

FF7RINTはハードをPS4から次世代ハードのPS5に移した事で映像表現を4K/30fps&3K(1620p)/60fpsで表現する事が可能になった。オプションではグラフィックモードパフォーマンスモードに分かれており、自分の好みのモードに変えることができる。

f:id:Gameslifeisff:20210711170853j:image画質の綺麗さを選ぶならグラフィックモードを、映像のぬるぬる具合を体験したいのならパフォーマンスモードを選ぶ事で体感出来る

ただこのモード選び、何より凄いと思うのはパフォーマンスモードであり、60fpsで表現される動きのぬるぬる具合はとんでもないことになっていて、動きの激しい戦闘中であってもチラつきやブレがなく、その動きの繊細さを知る事ができる。PS5では最大120fpsでの映像表現が可能とされている*3が60fpsと120fpsの違いが一般人には分かりにくかったとしても、30fpsと60fpsの違いは明確であり、映し出す世界の全てが大きく変わる。しかもこのパフォーマンスモードがデフォルトで設定されているので最初から動きの滑らかさを体感する事が可能で、正直な話このパフォーマンスモードを一度体感してしまうとグラフィックモードにすることが出来なくなってしまう。何故ならいくら美しい表現で映し出される4Kであったとしても30fpsで表現されるもっさりとした動きは目にとって気持ち悪く見えるほど動きが悪くなっており、完全なる4Kじゃないにしても3K/60fpsの方が断然綺麗に見えてしまう、とても不思議だ。それにFF7Rのフォトリアルとしての美しさは元のPS4版の時点でも最高に綺麗だったので4Kでも3Kでもそれほど変わらないように見えるのかもしれない。

最初に書いたようにテクスチャが変わって物の表現がよりリアルになっただけでなく、ライティングの違いがより現実に近い表現になっていたり、フォグエフェクトの追加によって空間の雰囲気作りに一役買っていたり、次世代ハードだからこそ実現できた表現が多く取り入れられていた。それだけでは無い。FF7RINTはTempest 3Dオーディオにも対応しており、純正3Dヘッドセットを付けてプレイした時に感じた音の360度全方位から聞こえて来る音のリアリティが圧倒的に違った。それが特に感じられたのは本編のオープニングで、冒頭画面に入り込んでくる鳥が羽ばたく時の音や、公園で子供たちがサッカーボールを蹴る音、夜の一番街プレート都市で人々が歩く時の靴音等、身近に感じられる音のクオリティが断然に上がっており、それが耳元から伝わるように聞こえてくるその体験自体の違いは凄まじいものがあった。

本編自体はまだチャプター1をクリアしただけに過ぎず、まだまだこの先でも3Dオーディオで表現されてる事の色々があるのかもしれないが、それがどんな事になっているのか?本編をまた更に楽しめる進化を果たしたと僕は思っている。

更に僕が神機能だと賞賛するのはフォトモードの追加、これによってフィールドで動いている時でも、戦闘中でもいつでも時間を止めて写真を撮る事ができ、映える写真がいくつも撮れる撮れる。この記事でアップしている写真の半分以上がフォトモードによって撮った写真であり、正直な話、写真説明をする時の準備にもこのフォトモードはお世話になった。僕はあまりゲームをプレイしている時に写真に撮って残すという行為をあまり意識してはしないのだが、このフォトモードの導入によって「あ、この瞬間撮ったら最高じゃない!?」と意識的に撮るようになっており、FF7Rの更なる楽しみな要素として僕は今も楽しむ事ができている。

 

総評

PS4にFF7Rが発売されてから1年が過ぎる前、このFF7RINTの情報が上がった時にはめちゃくちゃテンションが上がった。PS4でも楽しかったあのFF7Rの体験がPS5で進化して帰ってきたともなれば、その体験はファンとして是非やりたいと強く思うほどになった。

それはリアルでの生活のモチベーションにも強く関わる目標となっており、正直な話、FF7RINTを買うまでの間の僕はこの作品を手に入れる事を楽しみにしながら今を生きていた。ゲームのために今を生きるモチベを支えるなんてバカげた話かもしれないが、割と本気で今を生きる事を強く頑張れた要因にもなっていて、このソフトの存在があったからこそ、ここまで頑張ってこれた。

 

PS5で体感する一番最初の極上のFF体験となったFF7RINTは僕にとって人生で初のPS5ゲームとなり、そして最高のFF作品の一つとしてまたノミネートされた。

クラウド達が知らないユフィの知られざる物語、コンピレーション作品との繋がりを強く意識したヴァイスとネロ、この後のリメイク2が一体どうなるのかが楽しみで楽しみで仕方がない作品となりました!

 

この作品を僕は自分の手で体験する事ができて本当に良かったです!

 

今後のFF7Rの展開を僕は楽しみにしようと思います😊

 

とても、とても素晴らしい作品でした

ここまで読んでくださってありがとうございました。

 

 

 

*1:戦闘開始時にリミットゲージがMAXになる上に時間経過によって徐々にリミットゲージが貯まるチートめいたアクセサリー、神羅バトルシミュレーターの最難関バトルで勝たないと貰えないが強力過ぎる故に続編では廃止されてそうな封印要素の筆頭候補とも言える。

*2:神羅ビルが存在する零番街の地下深くに存在するソルジャー研究施設で、非人道的な人体実験を繰り返した末にDGソルジャーが生まれ、更に強力な存在としてツヴィエートがここに鎮座している。クラウド達の新たな脅威となるはずだったが、本編から2年後にヴィンセントがここに潜入し、壊滅させる事になる

*3:既に発売しているPS5ソフトではデビルメイクライ5のPS5版がハイフレームレートをONにする事で120fpsでの映像表現の実現が可能となっている

鳩の小噺3「単行本勢になって分かったこと」

 

昔の話になるが僕は小学生の頃から高校生になるまで毎月コロコロコミックを買ってはそれを楽しみに読んでいた。連載されている漫画はギャグやコメディ漫画が多く、ベイブレードデュエルマスターズ等の熱いバトル漫画もあり、特にゲーム漫画としては最年長の連載期間を持つスーパーマリオくんや支離滅裂な不条理さが大人になった今でもツボにハマれるでんぢゃらすじーさん等は幅広い層のコロコロ読者に今でも愛される作品となっている。また連載漫画が面白いだけでなく、ホビーやコロコロがビックアップした新作ゲーム情報が充実していたり、ポケモン映画の特報をコロコロで独占公開してたり、小学生向けの漫画雑誌としては幅広いニーズに応えられるような内容が多かった事は振り返った今だから気付けた事だ。

ただ、普通は中学に上がればコロコロを卒業してサンデーやジャンプ、マガジン等の年齢層が上がる少年誌に移行してもおかしくはなかったのだが、その当時の実年齢に比べて精神年齢が低かった僕は高校に上がるまでじーさんのギャグでまだゲラゲラ笑えてたのでなかなかコロコロを卒業することが無かった。また、週刊雑誌と比べると月刊誌は値段に見合ったボリューム内容でコスパが高く、月1000円の小遣いだった僕でも買いやすかったというのもあって他に移行するという発想が無かった。いつから買い始めたのかすら覚えていないほど御用達だったコロコロコミック...少なくとも10年近く読んでいたことは間違いない。

そんな僕もいつしかコロコロを読まなくなってから数年が経ち成人した時、今度は月刊少年サンデー(ゲッサン)を読むようになった。「からかい上手の高木さん」という作品の第1話をpixivコミックの試し読みで読んだ時に初めて感じた尊いという感情を、尊いという言葉の概念も分からないまま本能で感じたあの狂おしくなりそうなほどの心の揺れ動き方...心臓のドキドキ...あれは今でも忘れられないほどのセンセーショナルな出会いの思い出だった。

高木さんという作品をきっかけにゲッサンと出会い、大人になった今だからこそ分かる漫画の面白さに気付き、ゲッサン作品を中心に僕は漫画にまたハマることになった。「海王ダンテ」に「味噌汁でカンパイ!」「あそこではたらくムスブさん」や「春のムショク」「殺し屋Sのゆらぎ」etc...等、知名度的な点で言えば大ヒットコミック程の有名さは無いものの、漫画としての確かな面白さをゲッサンで読んで感じていたからこそハマれる作品と出会う事も出来た。

新連載の作品を雑誌で読んで面白いと思ったら単行本を買う、その当時は雑誌+単行本勢という一番漫画をコンスタントに楽しんでいた時期だった。またゲッサンは短期集中連載や、今はなくなってしまったが、ゲッサンminiによる読み切り作品を豊富に詰め込んだ短編集のような付録もつけていた時期があり、その小冊子で今でも応援するぐらいハマった新人漫画家さんの作品との出会いもあった。

それと同時に僕はこの頃を境にファンレターも積極的に書くようになった。メールやLINE等での電子文字によって発せられる言葉一つ一つの重みが軽くなり、若者からは比較的ライトなコミュニケーションを求められ、手書きの手紙が重いと言われる時代にある今だが、書き手の感情が読み手にダイレクトに伝わるのは手書きの手紙が一番だと知っていた僕は作家の先生に対するファンレターをメールではなく、手書きの手紙で書くことにこだわりを持っている。

もちろん昨今は漫画家さんたちもSNSの世界に現れてはオンライン上でファンとダイレクトに交流をしている時代、しかしそこで交わすやり取りだけでは伝わらない事もある。手紙というものは書き手が読み手に最も伝えたい事は何か?という事を時間を掛けて考えながら一五一五したためていくものである。あなたを応援したい、あなたの描く作品が大好きだ、と...作品から受けた感動や感銘に敬意を評し、一ファンとして応援する者でありたいという当たり前だけど大事な事を改めて伝えられるもの。それが手紙だと思っているし、そういう意味でも未だに手書きの手紙の存在を最も重要視している。もしあなたが大切な誰かに伝えたい事、訴えかけたい事があって、それを手紙として書いて、その手紙を相手が読んだ時に心揺さぶる様な感情を抱かせる事が出来たらその手紙は最高の出来だと思う。

 

少し話は逸れてしまったが、2017年の頃から読み始めたゲッサン愛読生活も丸3年が過ぎていた。その間に様々な作品と出会い、悠々自適な漫画ライフを楽しんでいた。しかし去年の11月に勃発した家出騒動をキッカケに実家に置いていた漫画は全て放棄する事となってしまった...。それまで3年ちょっと、毎月の12日を楽しみに待ちながら買って大事に集めていた漫画をだ断腸の思いで全て放棄しなければならなかったのは正直辛かった。これまでの生き甲斐のひとつを捨てている様な気がして、それまでの努力が全て否定された様に感じて、たかが漫画と言えども大事にしていたものを置いて前に進まなければならなかったのには悲観した。

その頃を境に愛読していたゲッサンを読む事も辞めた。あの時バタバタしてたからというのもあるが、新生活ではリアルな紙の本を置くスペースが無く、それまでずっと紙媒体で読んでいたのに急に電子書籍に変わるのも違う気がしたのでゲッサンは今も読んでいない。つまり雑誌+単行本勢だった僕は単行本勢になった。愛読している漫画の最新話は読めないが、単行本でまとめて読む事が出来る上に雑誌代が掛からないというのはある意味最もお得に漫画を楽しむことが出来るスタンスとも言える。

しかし、同時に単行本勢になったからこそ分かったこともある。自分が思っていた以上に漫画に対する関心度が減ってしまったのだ。

世の中漫画を愛する人たちの半分以上が恐らく単行本勢であり、漫画雑誌が売れなくなっていると叫ばれている昨今、雑誌を買って最新話を追いつつ、単行本まで買っている...という人はそうそういないだろう。アメトークの漫画大好き芸人にでてきた芸人達はほぼ全員当たり前のように雑誌+単行本勢というヘビーユーザーでもあったが、毎月、毎週発売される雑誌を買いながら単行本を買うというのは割と結構なお金が掛かる。それも1社だけに留まらず複数の出版社の雑誌を買っていた場合の1ヶ月の漫画代は雑誌代だけでもバカにならない金額になる。だが雑誌を買って読むという行為は常に気になる作品の最新話を追い、リアルタイムな感想を編集部と漫画家さんに送る事が出来る貴重な機会となっており、日本の選挙で国民一人一人が投票券を持って投票できる事の重要性を担っている様に、漫画雑誌購読者からの読者アンケートの評判を重要視している出版社も未だに少なくはない*1

そして読者として漫画雑誌を買って読む事のメリットは常に一定の周期で漫画に触れる機会がある事で漫画に対する関心を持ち続けられる事、これは僕がゲッサンを読む事を辞めてから初めて気付いたメリットでもあった。単行本勢になると言っても単行本の新刊が出るのは月刊誌連載だとどんなに早くても4ヶ月〜半年に1冊、週刊連載ならもう少し早くなるが、それでも2ヶ月は最低は掛かってしまう。その新刊が発売されるまでの間に漫画に触れる機会は殆どなく*2、その間に他の出来事に関心事が移る事もあるし、触れる機会が無くなることで関心自体が薄くなってくる。僕は最初から失った過去作を取り戻そうと目星を付けているので毎月単行本を買う事を辞める事は無いが、少なくとも新連載作品をその目で読んで触れる機会が無くなった為、新連載作品の単行本を買うハードルは上がってしまった。何故なら連載雑誌で読んでいない事によってその作品が自分にとって面白いかどうか?ハマれるものかどうか分からないからだ。

元々漫画とゲームを天秤にかけた時、人生と共にあった趣味はゲームということもあり、漫画を読む頻度もそんなに多くはなかったものの、ゲッサンという雑誌の存在が結果的に漫画を読む動機を与える機会となっていて、それが無くなった今は更に漫画を読む時間が減ってしまった...漫画家さんたちにとってはかなり寂しい事を書いてしまったが、これまで出会った作品に対する敬意と漫画家さんに対する個人的な想いは今も変わってはいない。

これからも少しずつ、少しずつ失われた漫画を取り戻しつつ、細々と漫画を楽しんでいくつもりだ。

 

皆さんも自分の推し作品を応援して漫画ライフを楽しんでください😊

 

 

*1:以前Twitterで「雑誌勢の人は単行本勢の人に配慮して最新話のネタバレをしないで!」といったツイートがバズって話題になった事があったが、出版者としては単行本勢<雑誌勢<雑誌+単行本勢となっているのでバンバン雑誌を買って、最新話の感想を下さいと漫画家さんや編集部公式がつぶやく結果になったので漫画雑誌という物の存在がいかに重要な物なのかが分かる結果となった

*2:今はスマホアプリでマンガを読む機会が充実しているが残念ながら僕はスマホで漫画を殆ど読んでいないので機会は無いとみなしている

鳩の小噺2「NINTENDO64がもうすぐ25周年と聞いて」

 

こんにちは、ニホンバトです🐦

今回の小噺のテーマは64がもうすぐ25周年との事で64の思い出をちょこっとだけ振り返ってみようかと思います🙌

 

NINTENDO64は1996年に発売されたスーファミに次ぐ3代目の任天堂据え置きハードで、64という名の付く通り、64ビットCPUがハード性能的な大きな特徴とされ、任天堂のハードでは初めて完全3Dポリゴンゲームを作る事が可能とされており、ローンチタイトルである「スーパーマリオ64」や「ゼルダの伝説 時のオカリナ」は64を代表するゲームソフトとして超有名

ただ同世代のPlayStationに比べてROMカセットによる記録メディアが入れられるゲーム内容の容量問題やら、そもそも他ハードに比べて開発がしにくいハードとしてサードパーティーからは敬遠されていた等もあって、後に出る次世代ハードのゲームキューブと同様、日本国内での売上はあまり芳しく無かったようです。

僕も64というハード自体は持っていたのですが、それほど多くのソフトをやりこんでいた訳ではなく、専らスーマリ64やカービィ64、初代スマブラマリオカート64マリオパーティぐらいしかやっていなかったんですよね...他にもゴールデンアイや、バンジョーとカズーイの大冒険など、隠れた名作ソフトも多く出ていたみたいなのですが、残念ながらこれまでの人生でそんなソフトにリアルタイムで触れる機会は訪れなかったです😭

 

ただそんな中で唯一「思い出深いなぁ...」と思うソフトが一つだけあるんですよね。

それが「がんばれゴエモン ネオ桃山幕府のおどり」です。 

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メタルギアソリッドシリーズでかつて有名だったコナミファミコンスーファミ時代に発売し、当時も今もかなり珍しい日本の江戸時代を舞台にした時代設定と、その設定にそぐわないながらもコミカルな笑いの演出が魅力的なシリーズとしてその名を轟かせた純和風横スクロールアクションのがんばれゴエモンシリーズ...

ネオ桃山は64で発売されたがんばれゴエモンシリーズの当時最新作で、進化した3Dポリゴンにゴエモンシリーズとしてはかなり珍しい3Dフィールドを駆け巡るアクションゲームとして発売されたもので、質の良い和楽器風の音を使った聴き心地の良い音楽に、キャラクターに初めて本格ボイスが付いたこと、そしてオープニング曲に影山ヒロノブ、挿入歌に水木一郎とアニソン界の大御所を起用するという超豪華ソフトで、発売からもう20年以上が経ちながら最新ゲーム機での復活が望まれるなど、今でもファンからの根強い人気を誇る1作になってます。

僕は残念ながらファミコンスーファミ世代では無いので全盛期だったゴエモンシリーズのソフトは全くやった事が無く、このネオ桃山が唯一プレイしたゴエモンシリーズのゲームとなっていて、それだけにとても印象深く、思い出が強烈に残ってます。

正義のヒーローでもあるゴエモンが江戸を、更には世界を掌握せんとして次々と襲来してくる外敵から江戸を救うというベタだけど、気持ちの良い勧善懲悪ものになってるのはもちろんですが、江戸時代という時代を考えると強烈過ぎるオーバーテクノロジーが出てきたり、宿敵も妖怪や般若、未来人から果ては宇宙人と江戸という何でもありな演出がとても面白く、ネオ桃山もまたそういう意味ではミュージカル俳優、女優のような派手な敵で脱力させられながらも、ダンジョン攻略の充実具合やバトルの歯ごたえと音楽のクオリティの高さが良いギャップとなっていて、普通に3Dアクションゲームとしてはとても面白かったですね。

何よりゴエモンシリーズは神曲メーカーと言われるほどBGMの人気が高く、特にダンジョン&フィールドBGMとボス戦のBGMは今でも人気があり、ネオ桃山のBGMも進行度に合わせて曲調が3段階に変化する城ステージのBGMや聴ける回数は少ないながらも、ボス戦闘曲のBGMの人気も高かったですね〜どれもみんなカッコよくて聴いていると凄く熱いんですよ!

ゴエモンインパクトでの巨大バトルもやりごたえがあって、僕はいつもキセルチェーンで引き寄せてからの左パンチ(弱)2連発→右パンチ(強)で決めるか、キセルチェーン→左パンチ(弱)2連発→百裂パンチ→フィニッシュ直前にボヨヨンキックというコンボも決めてましたね。子供の頃は、んが砲の出し方が分からず、コマンド入力してるはずなのに出ない事に何で!?と思ってました。(後から、んが砲ゲージを貯めないと撃てない事を知ったのは秘密の話)

 

しかしこのソフトをプレイするにあたっては長年解決しなかったある問題がありましてね...何とこのソフト、コントローラパックという周辺機器が無いとセーブが一切出来なかったんですよ!

コントローラ パックとは (コントローラパックとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

コントローラパックとはPlayStationで言う所謂メモリーカードみたいなものでしてね、当時の64ソフトは時のオカリナのように周辺機器無しでもセーブできるソフトも多くあったのですが、その分ROMカセットの値段も高くなるという問題があったらしく、ゲームソフトの内容量を充実させる代わりに特定の記録のセーブ機能を外部記録メディアに保存するという方法でソフトの価格を抑える...なんて事もやっていたらしいです。しかしコントローラパックを使うソフトは64ソフトの中でも数が少なく、有名どころで言えばマリオカート64でゴースト記録を保存するのに使ったり、初代どうぶつの森で自分の村の村人のお出かけデータをコントローラパックに保存して他の人のどうぶつの森で遊びに行くのに使ったりするぐらいでコントローラパック対応でも特に必須としていた訳ではなかったのです。

しかしネオ桃山ともなれば話は別、このソフトは本編のセーブ記録をROMカセット内メモリではなく、コントローラパックに全て依存する形で記録しているのでコントローラパックは必須だったんですよ...なんでそんなしち面倒臭いシステムにしてしまったのか全く訳が分からなかったのですが、それ故にソフトは持ってても、コントローラパックが無いせいでセーブができないどんなにゲームを進めてても途中でやめたり、接触不良でフリーズ等をしたら全て最初からやり直しという地獄過ぎるにも程がある状態でプレイしなければならなかったんですよね*1...(笑)

 

でもあの当時小学生だった僕は何を血迷ったのか、コントローラパック無しでプレイして、何とエンディングまで到達してしまったのです。凄いですよね、頭おかしいですよ自分((

何より城ステージで強烈に焼き付いている特徴的なBGMとエンディング内容を覚えているのがその証明となっていまして、セーブ無しで一気にクリアをするというのは今の自分にはとてもじゃないですが無理っす🙅‍♂️

大人になった後になってからAmazonでコントローラパックを探して買ったのですが、そこでようやくセーブできる事になった安心感が凄くて、やっぱセーブできるのって良いよね〜!なんて思いながら振り返りプレイをやったのは記憶に新しいです(笑)(でも結局ネオ桃山でしか使わなかったからコントローラパックはぶっちゃけネオ桃山専y...)

 

コントローラパックを買ってまでネオ桃山を振り返りプレイをしてクリアをした後、本当はもうひとつのゴエモンの64作品のでろでろ道中を買ってプレイしようと考えていたりもしたのですが、結局それが叶う事は無かったです。

もしも仮に64の25周年を記念して64ミニを出すとして、その収録ソフトにネオ桃山やでろでろ道中が入ってたりしたら僕はもしかしたら買っちゃうかもしれませんね(笑)

 

それぐらい僕にとっては64ソフトの中で一番思い出に残ってるソフトがこのネオ桃山という事なのです。

64の思い出と言うよりかはがんばれゴエモンの思い出になってしまいましたが、皆さんもぜひ64を持ってる人、またはこれから買う予定の人がいたらぜひ買って見てください。ネオ桃山、オススメですよ。ただしコントローラパックも必須ですが((

 

 

*1:ネオ桃山はコントローラパック必須のソフトだったが故に、コントローラパックを挿してない状態でゲームを始めようとすると「コントローラパックが挿さっていません」という文言から始まり、このまま始めるとセーブが出来ず、電源を切ると最初から全てやり直す事になります、とご丁寧にコントローラパックを買ってね♡という警告までしてくれる親切ぶりが見れる